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ドイツはアディダスやプーマという、我々の足元を彩ってくれる数々の名作スニーカーを世に送り出してきたスポーツブランドのお膝元。その2大ブランドを中心に、貴重な歴史的シューズが多数展示されているのだ。例えば、オリンピックの華ともえいる陸上でもアディダスやプーマは名選手の活躍を支えてきたことがよくわかる。
1959年から60年にかけて、ルドルフ・ダスラーがデザインしたプーマのランニングシューズ「ROMA」。その名の通り、1960年のローマ五輪で選手が使用。特許を取得した赤いナイロンのサポートとスパイクの配列が特徴だ。
女子として初めて800mで2分を切り、1972年、ミュンヘン五輪の女子800mでも金メダルに輝いたヒルデガルト・ファルクが使用したアディダスの陸上スパイク。ヒルデガルド本人の直筆サイン入りだ。
そして、やはりドイツ、アディダス、プーマといえばサッカー。サッカーについてはメイン展示とは別に独自のブースが設けられていた。そこにはドイツサッカー史を紐解く、貴重な資料が集められていた。なかでもやはりシューズの展示は技術進化の過程もわかり、貴重なモデルも間近で目にすることができる。スニーカーマニアには、ぜひ訪れてほしいミュージアムだ。
貴重な資料が並ぶサッカーの展示ブース。
20世紀初頭、サッカースパイクはワークブーツから派生していったという。写真は1914年に作られたスパイクのレプリカ。
1948年に開発されたプーマ初のサッカースパイク「ATOM」。
映画『ベルンの奇蹟』でも知られる1954年、スイスW杯における西ドイツ代表の歴史的な優勝。その選手たちが使用していたことで機能と品質が有名になり、映画同様の愛称で呼ばれるようになったアディダスのサッカースパイク「ARGENTINIA」。
スポーツやオリンピックは、競技そのものだけではなく、ウェアやシューズ、あるいは記録映像や写真などなど、それを取り巻くたくさんのカルチャーにも影響を与える。「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」は、それを再認識させてくれるミュージアムだ。
ちなみに屋上はフットサル場になっており、そばを流れるライン川を眺めながらミュージアム内にあるカフェでコーヒーでも買ってアフタータイムを楽しむのも気持ちいい。
屋上のフットサル場。
ウェアや歴史、それぞれの競技の文化など、オリンピック・パラリンピックを楽しむための新たな視点を与えてくれる「ドイツ・スポーツとオリンピック博物館」。ケルンに行くことがあったら、スポーツ好き、スニーカー好きはもちろん、TOKYO2020を待ちわびるすべての人に、ぜひ立ち寄ってみてほしい。
ミュージアムのすぐそばはライン川沿いの遊歩道。
ちなみに、お土産を買うとかわいいミュージアムのトートバッグが無料でもらえる。
 
田澤健一郎=写真・文


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