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2019.10.19

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格闘家・青木真也。嫌われ者と呼ばれる彼が今伝えたいもの

2019年10月13日。日本の国技・相撲の聖地として知られる両国国技館に、その男は立っていた。アジア最大の格闘技イベント「ONEチャンピオンシップ」の舞台である。ウルフルズの人気曲「バカサバイバー」を口ずさみながら花道を通ってケージのなかに入ると、リングアナウンサーの甲高い声が場内に響きわたる。
「シンヤー、“トビカンジュウダーン”、アーァオキ!」
ウルフルズの人気曲「バカサバイバー」を口ずさみながら入場する青木真也選手。
この選手紹介で、会場に訪れた観客が一気に沸き立つ。どこからともなくコールが沸き起こる。
「アァオキ! アァオキ! アァオキ!」。
場内の照明が消えたかと思うと、暗闇のなかから浮き上がるように丸いケージだけが照らし出された。ケージのなかは、雌雄を決する2人のアスリートと、その一戦を裁くレフリーだけしか入ることの許されない特別な空間だ。
観客は固唾を飲んで、ケージ内を見守る。心臓が暴れ出し、血液が激しく波打つ。聞こえないはずの音が、頭の奥に響きわたっている。そこに集まった観客たちの体内を脈打つ鼓動までもが外に溢れ出し、場内に異様な空気を作り出しているようだ。
選手同士がケージ中央に集められ、顔を合わせたら、試合前の儀式は終了だ。

カァーン!
冷たい金属音が鳴り響き、待ちに待った試合が始まった。観客席にいた人たちのボルテージはすでに最高潮に達していた。


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