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僕自身も、「アメリカでチャレンジできるなら、ぜひしてみたい」と思うようになりました。ただし、そんなに早くアメリカが見えてくるとは思っていなかったので、具体的に何をすればいいのかまったくわかりませんでした。
さらには、「アメリカに行きたい」という希望をいざ表明すると、今度は一転して否定的な意見があちこちから聞こえてきます。
「いまさら行ってももう遅い」「英語がしゃべれないのに、アメリカでどうやって生活するんだ?」。どこからともなくネガティブな意見が発せられたのです。
思い返せば、ネガティブな意見を言う人は、僕のことをあまり知らない人か、実際にアメリカに行ってプレーした経験のない人たちばかりだったような気がします。
人と何か違うことをやろうとするとき、否定的な意見を言う人は必ず出てくるものなのかもしれません。そんなときに大切なのは、自分の気持ちに素直に耳を傾けてみること。ネガティブな声に惑わされ、判断を誤るのは得策ではありません。
応援してくれる父母と渡邊雄太選手(c)小林靖
僕のケースで言うと、「NBAでプレーする」という夢にチャレンジし、仮に結果が出なくても、十分納得できたはずです。しかし、チャレンジもせずに終わっていたら、間違いなく後悔していたことでしょう。
「挑戦しただけで成功であり、それだけでも十分だ」。
何をするにしても「挑戦」を決めた時点で、その決断は評価されるべきなのです。事実、僕自身も渡米前にはそう自分に言い聞かせて、気持ちを奮い立たせていました。
バスケットボールに限らず、スポーツやビジネスなどの分野で、外国に行って挑戦したいと考えている人もいるでしょう。そんな人たちに僕が伝えたいのは、「覚悟と決意があるなら、絶対に行ったほうがいい」ということです。
この場合、成功できるかどうかに惑わされる必要はありません。「覚悟」と「決意」が重要であり、それがあるのなら絶対に行くべきです。
実は、僕がアメリカ行きを決めたあと、父はNBAのフェニックス・サンズでプレーした経歴のある田臥勇太さん(宇都宮ブレックス)に連絡を取り、アドバイスをもらっていました。田臥さんは日本人初のNBAプレーヤーであり、道を切り開いた人として、バスケ界でとても尊敬されている選手です。


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