また、ハイブリッドのパワートレインが生む強力なパワーをフル活用するために、ブランドのスポーツカーとしては初めての4WD仕様となっている。
そしてコックピットに目をやれば、ステアリングに配されたタッチパッドとボタンによって、ドライバーはあらゆる操作を、ステアリングから手を離すことなく、指先ひとつで行える。そのモニターとして、フェラーリが初めてデジタルスクリーンを採用している点も見逃せない。
スクーデリア・フェラーリは今年誕生90年という節目。それを飾るに相応しい「SF90 Stradale」には、ブランドが持つ技術のすべてが注がれており、なんと45もの特許技術を取り込んでいるという。
かくして、フェラーリがサーキットで培ったノウハウは、見事にロードカーへと転換された。
ディーター・クネヒテル氏は最後に、「歴代モデルを超える最も革新的なフェラーリ」だと言った。
あらゆる側面から見て、確かに初物づくしな「SF90 Stradale」は5340万円。この一台が、冒頭の“みんなもの”になるかは置いといて、デビューの歴史的瞬間に立ち会えること自体が、幸せなことだと思うのだ。