働くことに罪悪感を感じていたのはひと昔前まで
ほんのひと昔前までは、「仕事が楽しいからって子供を預けてまで働くなんてけしからん!」みたいな風潮や、「女性が働く=家計に余裕がないから」という考えが、日本の中では一般的でした。こういう考えを持っている人は、いまでもまだ残っていることも事実です。
誰もが知るような大きな企業で総合職として働く私の友人は、義理母(専業主婦)からたまに、「息子の稼ぎが悪いからあなたにそんなに働かせて申し訳ない」というニュアンスの発言があることに違和感があると言っていました。「私はどちらかというと好きで働いているのに」と。
また、私のママ友で、自分の親は夫婦で自営業、夫の実家は母親が専業主婦という女性(美容師。子供は幼児)は、両方の家庭環境の違いによるギャップを次のように語っていました。
「私は結婚したときから、子供ができても働き続けると宣言していたのに、いざ出産後に保育園を探して仕事復帰しようとしたら、夫のお母さんにものすごく驚かれました。義理母は、仕事をすると言っても、少し子供が大きくなってからパートに出るくらいに考えていたようです」
でも、この方の夫は、妻が自分の仕事に誇りを持って続けていることを理解し、今では子育ても家事も協力し合ってやっているそうです。「お金のために嫌々やる仕事」よりも「誇りを持って前向きにやっている仕事」のほうが、周りも応援したくなるということなのかもしれません。
夫がよき理解者であれば、妻は前向きに働ける
確かに、外で働くことよりも家で家事に専念したい、そちらのほうが得意という女性もいます。しかし、もし妻が何かやりたい仕事やチャレンジしたいことがあると言い出したら、背中を押すのが夫の役目。そして、ふたりでよく話し合って家事・育児を協力し合うのが、よきパートナーシップなのではないでしょうか。
妻が前向きに働くことで収入が安定すれば、もし自分が転職したいとか、起業したいとか、何らかリスキーなことにチャレンジしたいと思ったときに、安心してチャレンジできるというメリットもあります。妻が前向きにやりたいことを持っているということは、夫にとっても喜ばしいことなのではないでしょうか。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、小1の娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
石井あかね=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:既婚子持ちの35〜45歳の女性200人