ダイエットも姿勢もヒップアップも「股関節」から!
でんでん太鼓をイメージすると分かりやすいだろう。持ち手を少し動かすだけでも、先端は大きく旋回する。つまり、軸の動きをうまく末端へと伝えられれば、スムーズでダイナミックな動きにつなげることができるのだ。
このことについて朝原さんは「アスリートだけの話ではない」と言う。身体を機能的に使えるようになると、スポーツのパフォーマンス向上だけでなく、さまざまな効果をもたらしてくれるとか。
「日本人は足先を使って歩く人が多いですが、股関節から歩けるようになれば、大きな筋肉を動かすことになるので、ダイエット効果がアップします。上半身がぶれなくなり、姿勢もよくなりますし、お尻が使えるようになるので、ヒップアップ効果もあります。力の伝わり方が整うことで、膝や足首への負担が減るので、市民ランナーの方などは怪我の予防にもなりますよ」。
ではどうしたら、ファンクショナルな動きを手に入れることができるのか。
「動きのクセをつけるためのトレーニングとして、股関節から動かすように大股で階段を登ったり、膝下を完全に固定して脚を前後に大きく振ったり、スクワットをするのもいいでしょう」。
だがこの方法、ただ動きをなぞるだけでは正しい動きをマスターしたとは言えない。身体の癖があるため、自分ひとりでマスターするのはなかなか難しいというのだ。
「股関節や膝、足首は可動域が広く、無駄な動きが入りやすいので、自分の動きやすい動作になってしまって、ターゲットにしたい筋肉とは別のところを使ってしまうことが多いんです。身体の動きに精通したトップアスリートならすぐにマスターできるのですが、一般の方に伝えるのは非常に難しい。
前後に脚を大きく振ったり、スクワットをする動きなら、膝下が動かないように固定してもらうなど、誰かにサポートしてもらうと確実です。イメージはスキーブーツ。あれくらい膝下から足首が動かないように固定するのが理想です」。
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