「お洒落であるより、格好良くありたい」と言う種市 暁さんのスタイルに本誌が注目し、“種カジ”と勝手に命名して早数年。いつもパッと見の印象は無造作なのに、なぜか格好いいから不思議。そんな彼の装いの“タネ”をムリヤリ解説してもらう企画。
ーーアレ、もう短パンじゃない! 「シックなのもいいでしょ?」
ーーもしかして読者ウケ、狙ってます? 「人を、打算で生きているかのように言わないの。読者の皆さんは厳しい目を持っているから、常に皆さんの参考となるスタイルを提案していきますよ」
ーー本当ですか? 「この格好をよく見て。“キメずにキマる”の初心に帰った感じでしょ」
ーー……悔しいけど、格好いいです。 「秋気分をいち早く取り入れたいけど、まだ暑さも残るから快適に過ごしたいという気分なんですよ」
ーーなるほど。ゆったりしたパイルトップスとドレープの利いた極太パンツが秋風になびきつつ、スエードの“チューリッヒ”もマッチしてますね。 「フットベッドまでスエードというミニマル感に惚れ込みました。パンツは、N.ハリウッドのグラミチ別注。デザイナー尾花大輔くんとは同世代というだけあって、スラックス調の生地が、僕の気分にフィット。しかも、ユルいシルエットなのに、モノトーンだから引き締まる」
ーーこれぞ種カジの神髄。しかも我々世代にとっては、若き日に洗礼を受けたアメカジアイテムばかりだ。 「そのとおり! グラミチもビルケンシュトックも、ビームス 渋谷に配属された社会人1年生の頃からの付き合い。だから、どこかに新鮮さを加えて、新味を楽しむのが極意」
ーーなるほど。トップスもスウェットシャツへのオマージュというわけか。 「もちろん計算ずくですとも」
ーー恐れ入ります。さすが種さん、ますます磨きがかかりますね! 「それ、磨きというより、プレッシャーがかかるわ(笑)」
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