そのデニム愛は本物! サステイナビリティの高さにも脱帽
A.P.C.のジーンズは、洗い方にも流儀がある。公式ホームページには、
オススメのデニムの洗い方が記載されているのだ。
“過激主義”は、濃淡のある色落ちを楽しむための育て方。できる限り洗わずにはき続け、初回の洗いはドライクリーニングで。2回目以降の洗いは、濃色製品用洗剤を少量混ぜた水に1時間つけて起き、水ですすいでバスタオルに包んで干す。
“海水”はできる限り洗わずにはき続け、ジーンズを履いたまま海に入るプラン。乾いた砂でこする→海に入るを繰り返したあと、水ですすいで太陽にあてて乾かす。不審者と思われても致し方ない手法だが、海を愛するオーシャンズ読者にはピッタリかもしれない!?
さらに面白いのは、バトラープログラムという試み。履き古したA.P.C.のローデニム(生)を“よい面構え”に育っていると店側が判断すれば、半額で新しいローデニムと交換してくれるというものだ。買い取ったデニムは洗濯とリペアを施したあと、世界で1本だけの色落ちをした魅力的なネオ・ヴィンテージとして店頭で販売される。サステイナブルな取り組みとしても注目に値するし、A.P.C.がいかにデニムを大切にしているかが分かるプログラムだ。
A.P.C.が日本に上陸する少し前の80年代中盤〜後半に、フランスのジーンズが人気になったことがあった。リベルト、シピー、シェビニオン、シマロン、C17などのブランドだが、当時と同じものを買おうとしても買えないし、消滅してしまったブランドもある。
A.P.C.のニュースタンダードに並ぶジーンズは、フランスには存在しないのだ。ジャン・トゥイトウという稀代のコンセプターが作り上げたジーンズ(ニュースタンダード)は、言うならば“フランス版501”なのである。
[問い合わせ]A.P.C.CUSTOMER SERVICE03-3710-7033増田海治郎=文