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男心がくすぐられて“ドキドキ”した映画

映画を観る平山祐介
──祐介さんにとって“男心”をくすぐられた、ドキドキする映画とは?
平山 まず、クエンティン・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』ですね。黒人を主役にした西部劇という設定がまず面白い。馬に乗る黒人がバカにされるんですが、そういう人種差別が作品のなかでちゃんと挽回されていく。そういう心地よさもあります。しかも、ウェスタンだけどファッショナブル。衣装もかっこよかった!
映画のジャンルとして、僕は「ウェスタン」が好きなんですよ。善悪が明確でヒーローが生まれやすい。単純で面白いというのは大事なことですよね。銃もかっこいいし。
──タランティーノ監督の作品はよく観るんですか?
平山 観ますね。『パルプ・フィクション』もむちゃくちゃ面白い。もちろん『キル・ビル』『イングロリアス・バスターズ』も。でも一番はやっぱり『ジャンゴ』かなぁ。
タランティーノ作品はいつも奇抜な設定で話題になるけど、それを続けるのって難しいと思います。それに彼がすごいのは、一人ひとりのキャラクターの立て方。一言二言しかセリフのない人でも、印象に強く残ることが多くて。
役の名も俳優の名前もすぐには思い出せなくても、確実に「あの役の人」っていうキャラクターを観てる人の心に残す。必ずしも長いシーンやセリフがあるわけじゃないのに。
──祐介さんがよく覚えているキャラクターは誰ですか?
ジャンゴ愛を語る平山祐介
平山 俳優でいうとレオナルド・ディカプリオですね。彼を好きになったのも『ジャンゴ』がきっかけです。もともと『バスケットボールダイアリーズ』なんかで凄い演技をしていたんだけど、タイタニックで“二枚目俳優”みたいなイメージだけが先行してしまった。でも、この映画で初の悪役を完璧にこなし、イメージを払拭した気がします。
そうやって、二枚目としての地位をすでに確立しているのに、さらに見たいと思わせる俳優になれる機会があるのは、純粋にうらやましいですよ。抜擢したタランティーノもすごいけど、今までのイメージから抜け出そうともがく俳優ってたくさんいるので。
ジャンゴ 繋がれざる者(2012)
監督・脚本|クエンティン・タランティーノ。南北戦争直前の1858年が舞台。黒人奴隷が生き別れた妻を取り戻すウェスタン映画だが、「西部劇は白人が主役という既成概念をくつがえした話題作。興行成績はそれまでのタランティーノ作品のなかで過去最高を記録し、第85回アカデミー賞で脚本賞と助演男優賞を受賞している。


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