泡のように現れては消える数多のデニム。30年続くにはよほどブレない芯が必要なのだと、実現したジースター ロゥに思う。ブランドの歩みが刻まれた記念モデルをよく見ればそれは、デニムの進化そのものが詰まったものだった。
ジースター ロゥの30周年記念アイテム
ジースター ロゥが、今年で創立30周年を迎えた。やはりアニバーサリーコレクションには期待大。実は、これらに採用されるディテールこそ、ブランドが続けてきた挑戦をリフレインしたものだ。
デニムパンツは立体的なパターンを取り、得意とする「3D(立体裁断) ジーンズ」や「ストレッチデニム」に駆使される先端技術や職人技術の高さをうかがわせる。写真からもその質感の高さが見て取れ、さらにデニム生地にも要注目。
使用するのは、日本の名門、カイハラのストレッチデニムだ。オランダ発のブランドにして日本製デニム生地にもリスペクトを捧げる点は、今の世界的デニムの潮流のひとつでもある。
最後は、今や実践が常識ともいえるサステナブルな物作りだ。表参道ヒルズ店限定のアノラックに使用したデニム顔のインディゴツイル地をはじめ、すべての30周年記念アイテムは持続可能な綿花栽培を目指すBCI(ベター・コットン・イニシアティブ)認証コットン製。ブランドが10年以上取り組んだ、ひとつの結実だ。
ジースター ロゥの30年には、ブレずに歩んだブランドの芯だけでなく、これまでのデニム史が詰まっていると言っていいだろう。
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