OCEANS

SHARE

もちろん飲み過ぎは注意! 絶対に知りたい「適量」の目安とは!?

大川さん自身、大のIPA好きだとか。キンキンに冷えたビールよりも、冷たいビールが最後は少しぬるく感じるくらいゆっくりと味わう派。そのほうが健康にも良さそうだ。
ーー結局、健康的に飲むには「適量」が大事だということですが、どのぐらいが適量なのでしょうか?
ビールなら、長生きのための適量は1日あたり大ジョッキ1杯(633ml)です。ビール大国であるアメリカの保健科学協議会が、各国の医療関係者が発表した研究報告をまとめて分析したところ、1日にビール350mlを2〜3缶程度の飲酒をする人がもっとも心臓血管疾患のリスクが低いと出たそうです。
「それはアルコールに強いアメリカ人だからだろ!」とツッコまれそうですが、この研究結果には人種・性別・地域条件を超えた共通性がみられました。
ーー1日2〜3缶! 結構飲んでいいんですね! 夢が膨らみます。ちなみに、気分が良くなってしまって4缶以上飲んだときの対処法は……。
これは難しいですね(笑)。体に入ったら、基本的には取り戻すことはできません。でも、ビールはほかのアルコールよりも水分量が多く、アルコールが体の外に流れやすいという性質がありますから、多少飲みすぎたところで大事には至らないかと思います。
「さぁ、今からビールを飲むぞ!」というときには、チェイサーとして一緒に水を飲むと血中アルコール濃度を減らすことができます。分解するアルコールが少ないほうが肝臓への負担も少なくなりますし、また、途中途中で水を挟むことで口内がリセットされ、ビールの味をよりフレッシュに感じられるので、美味しさも増すはずですよ。ビールの専門家の方々もそうしているそうです。
 

結論! ビールは思いのほかいろんな意味で健康によかった!

大川さんの著書『「病気知らず」の体をつくる ビール健康法』もチェック!
まさかビールにこんなにも多くの健康効果が期待できるとは目からウロコ。要するに、より体が喜ぶビールが「IPA」で、さらに体を喜ばせたいなら「枝豆」と一緒に飲むことがベスト、とのベストアンサーがここに誕生した。
さらに、ビールをチェイサーと一緒に楽しめば適量が少し増える……とまでは言えないかもしれないが、より体に優しいことがわかった。
健康に気を使い、2杯目からは飲みたくても控えていたビール党の面々よ。これからはビールをじっくりと味わうようにして、時間をかけてゆっくりと適量を飲んでさえいれば、舌も体も喜ぶ、理想のビールライフが送れるはずだ。
繰り返すが、調子に乗って飲み過ぎたら意味がないので、それだけはくれぐれもお忘れなきよう。
ビールの効能について教えてくれた人
大川章裕
専門は脊椎外科。医療連携・地域医療を重点的に行い、腰痛や高齢者医療についての講演も多数。海外文献にも豊富な知見をもち、イギリスで進むビールの健康効果に関する研究に注目。予防医学や健康に貢献するとして情報公開を積極的に進める。
 
横尾有紀=取材・文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。