“私たちのパッケージはまだまだ最悪”という、自虐的メッセージをあえて発信しているノア。都市部のゴミの約30%は包装紙や梱包材によるもので、バベンジンさんはこうした過剰包装に疑問を持ち続け、その最善の対処法を模索している。
「パッケージングについては、避けては通ることのできない問題。商品をお客さんに渡すときはもちろん、流通の段階でも既に大量の梱包材や緩衝紙を使っているからね。我々も例外ではなく、少しでもビニール袋を減らすために、クラフト紙に変えてみたことがある。でも、中身が傷ついたり汚れたりする問題が発生したので、やはりビニール袋を使っている。今後は水に溶けるものや土に還る新素材も試していくよ」。
混沌としたファッション業界の大海に、小さな方舟で漕ぎ出したばかりのノア。その行く先にはきっと、未来につながるサステイナブルな世界があるに違いない。
三浦安間=写真 髙村将司、今野 塁=文 川瀬拓郎=編集・文