逆境に強い男とは、不利な状況をプラスに変えることができる自在な発想力とフロンティア精神を持っている。
そしてそんな気概が漂う革新的なタフ時計こそ、逆境に強い男の名刺代わりとなるのだ。
PANERAI
パネライ/サブマーシブル カーボテック-47mm
マットブラックを纏い、人気ダイバーズがより精悍に歴代アーカイブのデザインコードを崩すことなく、これに独創的なハイテク素材を組み合わせることで革新を進める。300m防水性能を備えた本格ダイバーズがケース、リュウズプロテクター、ベゼルに採用したのは、カーボテックという素材。これはカーボンファイバーの薄いシートと高分子ポリマーPEEKを高圧圧縮した合成素材で、セラミックスやチタンよりも軽量かつ、耐傷性や耐衝撃性、耐食性、低アレルギー性に優れる。
マットブラックに浮かぶ筋目模様は、2種類の素材が織りなす唯一無二のパターンであり、強靱さとオリジナリティを主張するのだ。
RICHARD MILLE
リシャール・ミル/RM 014 トゥールビヨン ジャパン・ブルー
超絶的なスペックを秘める3色ケース海洋をテーマにした日本だけの限定版で、ムーブメントやリュウズなどにヨットを想起させるデザインを採用している。ベゼルとケースバックには、約45ミクロンという超薄のシリカ繊維を約600枚重ねたあと、白い樹脂を浸透させて、圧力をかけながら加熱し、成型していくブルーのクオーツTPT素材を採用。温度変化に強く、剛性に優れる特性を備え、これに挟まれたミドルケースには軽量性と耐久性に優れるカーボンTPT素材を導入。
CVSTOS
クストス/チャレンジ クロノⅡ カーボン
グラス入りカーボンが織りなす先進のマーブルボリューム感のあるトノウケースは、F1マシンや航空産業にも使われる先端素材のカーボンを採用。ブラックカーボンファイバーとレッドのグラスファイバーを混ぜ、高温・高圧での鍛造加工によって誕生する。軽量性や強靱さといったタフネスな機能性に加え、製造過程で生まれる不規則なマーブル調のカラーリングも魅力だ。文字盤は立体的なサブダイヤルを備えるスケルトン仕様で、メカニカルな雰囲気が男の好奇心をくすぐる。
RADO
ラドー/トゥルー オープンハート
セラミックスの実力に、メタルの光沢を備えるラドー独自のハイテクセラミックスは、まず原料となる酸化ジルコニウム粉末をポリマーとミックス。それをケースの鋳型に高圧射出し成型後、焼結する。こうした複雑なプロセスを経て、軽量性や高硬度、耐傷性、低アレルギー性を備える。
本作はそれをさらに応用させたプラズマ ハイテクセラミックスを採用。セラミックスを2万度のガスで満たされた炉(写真)に入れ、組成そのものを変質させ、金属を含有することなくメタルカラーを実現した。大胆にカットアウトされたダイヤルからは、ペルラージュ装飾の美しいムーブメントが覗き、時を刻む鼓動を楽しめる。
BELL & ROSS
ベル&ロス/BR-XI R.S.19
F1の世界観を体現する研ぎ澄まされた機能美航空機のコックピット計器をモチーフにした角形チタンケースは、マイクロブラスト加工のブラックセラミックスとイエローラバーのバンパーによって周囲が覆われている。これにより、力が分散しにくい角形フォルムを衝撃からシールドするのだ。
クロノグラフは、てこの原理を応用したロッカープッシュボタンを採用し、より軽く操作しやすい。スケルトンダイヤルには、パートナーシップを組むルノーF1チームのシンボルカラーをアクセントにあしらい、回転式ベゼルリングの黄色い三角マーカーを合わせることでラップタイムが比較できるタイムマーカーを装備する。
CITIZEN
シチズン/エコ・ドライブ ワン AR5055-58E
いつまでも美観を維持する超薄型のタフモデルシチズンが技術開発に力を注ぐ、外装の表面硬化技術デュラテクト。このデュラテクトにはアプローチやカラーの違いで実に10以上の種類が存在している。なかでも最高峰に位置するのが“デュラテクトα”と呼ばれる技術。
このモデルはそれをSSケースに施しており、サファイアガラスと同等の硬度である2000〜2500Hvを有している。さらにベゼルには美観にも優れる高硬度素材サーメットを採用。品行方正な見た目からは想像できないほどの屈強さを備えているのだ。加えてケース厚2.98mmという驚愕の薄さも魅力。まさにシチズンが導き出した理想的な実用時計といえよう。
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
星 武志(エストレジャス)=写真 石川英治(Table Rock. Studio)=スタイリング 柴田 充=文