連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
折り畳みチェアを筆頭に、テーブルやコットなどを世に送り出し、とくに玄人キャンパーから厚く支持されている「Helinox(ヘリノックス )」。2009年、世界的に有名なテントポール・シャフトメーカーのDAC社から生まれた同ブランドは、いかなる思いでギアをメイクしているのか。CEOであるYoung Lahさんが直々に答えてくれた。
——なぜ「ヘリノックス」をスタートさせたのですか?私はモノが大好きであり、ずっと変わらない情熱を抱いている一消費者です。そのパッションが「ヘリノックス」創設に繋がりました。目指すのは長く使っても価値を落とさないモノ。経年してゴミになるのではなく、ヴィンテージになるモノ。また、品質や機能、価格のバランスが整っていることも大切です。私たちも常に最善を尽くし、製品を向上させ続け、バランス良い製品の提供を継続したいと思っています。
私が大のモノホリックであることに加え、友人と働くのが好きという個性も「ヘリノックス」をスタートさせた要因です。どんなに小さいプロジェクトでも仲間たちと取り組めば楽しく、成功させたときの達成感も大きいですよね。
同時に持続性がある会社、長続きするブランドの必要性を感じていて……。これらすべてが重なりブランドを設立。幸いにも今年で10周年を迎えることができました。
——ブランドとして最も大切にしていることは?私たちのアイテムを通してユーザーが得る総合的な経験、体験を大切にしています。「ヘリノックス」という名前は、私にとってお客様からの信頼です。製品にこの名を与えた以上、ユーザーの期待に応えなければいけません。それが責務であり、守り続けるべき約束と考えています。
タクティカルチェアはCEO自身も思い入れの深い名品
——日本のアウトドアシーンにおいて、「ヘリノックス」のチェアは多くの支持を集めています。特にホームチェアとタクティカルチェアはズバ抜けて好評です。私を含め「ヘリノックス」のデザイナーは、みんな大都市で生まれ育ちました。ですから、アウトドア志向が非常に強いんです。しかし、日常生活にマッチするギアも必要と感じていて、その答えがインドアとアウトドアをシームレスにつなぐホーム・デコ&ビーチラインと、スタイルと機能を両立させたタクティカルライン。
自分たちが欲しいものを具現化した、個人的に思い入れの強いプロダクトなので、受け入れられているのはうれしいです。両ラインともニューモデルの開発を進めていますから、近い将来にご紹介できると思います。
ヘリノックスのチェアと永く付き合う秘訣
——ホームチェアとタクティカルチェアを使用した後、ユーザーにしてほしいメンテナンスを教えてください。我々のアイテムのケアは比較的簡単ですし、基本的なメンテナンスを施せば、さらに長く快適に使用できます。まず、使用後はクリーニングと水気の除去を行ってください。もし、製品のフレーム自体に問題があれば修理受付に相談してください。
タクティカルチェアのメンテナンスのコツ
●ポイント1「汚れは優しく叩くように拭き取ること」●ポイント2「フレーム内のショックコードも定期的な点検を」協力:ヘリノックス正規輸入代理店・(株)エイアンドエフ
「ヘリノックス」の代表作であるチェア類は丈夫で軽く、デザイン面まで優れている。座り心地に関しても好評だが、特筆すべきは折り畳み時の容積が小さい点。
車が小型化傾向にある昨今、アウトドアの必需品としてより価値が高まっていくだろう。決して安価とはいえないが、ほかブランドとは一線を画す総合力。次回のキャンプまでに揃えておきたいところだ。
【取材協力】
A&Fカントリー本店
住所:新宿区新宿6-27-56新宿スクエア 1F
電話番号:03-3209-0750
営業:11:00~20:00
定休日:不定休【関連イベント】Helinox 10th Anniversaryイベント東京開催:2019年9月14日〜9月24日 大阪開催:2019年10月11日〜10月23日 問合わせ:event@helinox.comwww.helinox10.com/平安名栄一=写真 金井幸男=取材・文