食べるものを自分で育てる。生きるためのサイクルを体験して楽しもう
当日の活動を締めくくったのは、『畑』で採れた野菜を用いたサンドイッチの試食だった。といっても、より良い生育を目指すために“間引き”した葉が使われているところがポイント。
いわゆる「間引き菜(つまみ菜)」と聞けば、その味が気になるところだが、いざ食べてみれば、まったくもってデリシャス。摘みたてならではの瑞々しさと、心地良い苦みを堪能することができた。
「生きるためには食べなければいけないし、食べるためには育てないといけない。とてもシンプルなことなんですけど、都会で生活をしていると、そのサイクルを忘れがちになるもの。食べるものを育てるための過程をすべて体験できるのも、アーバン・ファーマーの魅力といえるかもしれませんね」(小倉さん)。
自分たちが食べる野菜を自分たちの手で育てる。“農業”といってしまえば大げさに聞こえるかもしれないが、実は都会の中でも、気軽に実践することは可能なのだ。まずはコップ一杯の菜園からでも十分。思い立ったその日から、あなたもアーバン・ファーマーの一員である。
玉井俊行=写真 石井敏郎=取材・文