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試行錯誤も共有しながら、メンバー全員で畑仕事を楽しむ

小倉さんの言葉どおり、今回取材させてもらったUFCの活動風景は「渋谷で畑仕事を一緒に楽しむ」というユニークさ以上に、ちょっとした園芸サークルのような趣となっているのが印象的だった。
小倉さん
まずは、この日集まったメンバーに向けて、小倉さんが現在の『畑』の生育状況などについて説明する。といっても小倉さんのスタンスは、決して指導者的ではない。「メンバーと同様、自分もアーバン・ファーマーのビギナー」と語るように、これまでの試行錯誤を仲間と共有することに注力しているからだ。
「野菜づくりに関心を持った当初は、僕もみんなと同じで、知りたいことが何かもわからない状態だったわけで。たまたま少しだけ先行している立場としての体験を直接伝えることで、実践への道筋を示してあげることができれば、という感じで話していますね」(小倉さん)。
土づくり、種まき、そして水やりなど。すべて自分でやってみなければ、野菜づくりの難しさや楽しさは理解できない。この日、主に初参加となるメンバーを対象に行われた、小さなコップの中で野菜を育てる「マイクロファーミング」体験は、まさに自分たちが食べる野菜を自分たちの手で育てる、アーバン・ファーマーへの第一歩だ。
イベント風景
「最初のうちは、失敗の繰り返しなんです。でも、その過程から『どうすれば上手に育つのか』という興味がわいてくるし、店先に並んでいる野菜たちが、どれだけの工夫や苦労によって育ったのか理解できるようにもなる。やっぱり体験って大事なんですよ。何より、自分の手を動かすことって楽しいものですし」(小倉さん)。
こうした体験を通じ、食への関心を高めたメンバーたちが、野菜づくりに留まらず「味噌部」のような、派生した部活動を続々と立ち上げているとも。
食べること、つくることを軸とした“つながり”が、どんどん拡がっているというわけだ。


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