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2019.08.30

あそぶ

アウトドア界で「ザ・ノース・フェイス」のシューズが熱く評価される理由

連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
ハイスペックな「サミット」シリーズ、最新ドーム型テントの「ジオドーム4」など、アパレルやギアに注目されがちなザ・ノース・フェイスだが、アウトドア界隈ではシューズ類も高く評価されている。
ハイテクと独自の感性を融合させた名モデルについて、プレスチーム リーダーの宮﨑さんに解説してもらった。

タウンから本格トレッキングまで幅広いバリエーション。しかし、妥協はひとつもない

宮崎さん
「自分たちで素材を開発しているのがストロングポイント。目的が明確なら、糸の段階から作り出す環境が整っています」。
——毎シーズン、かなりの数の新モデルが登場していますね。
いろんなアイテムを扱っていますが、実はシューズ類はザ・ノース・フェイスの得意分野でもあります。さまざまな素材を研究・開発していますから、アッパーからソールに至るまで、適切なマテリアルを使用できるアドバンテージがあります。また、バリエーションも豊富です。アウトドアは子供からお年寄りまで楽しめるもの。との考えが根本にあり、幅広いレンジを意識しています。
——特にプッシュできる自信作を教えてください。
まず、軽量ながら丈夫で、防水性まで優秀なヴェルト S3K II GORE-TEX。踵を安定させつつ、衝撃も吸収する独自の機能、クレイドルテクノロジーを採用しています。重い荷物で背負って行う縦走トレッキングにも対応し、ガイドから一般トレッカーまで幅広く信頼されるモデルです。
ヴェルト S3K II GORE-TEX
登山、トレッキングに必須の機能を詰め込んだ名機「ヴェルト S3K II GORE-TEX」(2万5900円)。
さらに最近盛り上がっているのが、ウルトラファストパック Ⅲ ウーブン GORE-TEXに代表される、トレッキングとトレランの間に位置するようなモデルです。トレッキングできる強さとトレランに求められる軽快さ。複数の要素が求められるので、非常に機能性が高く、最新技術もふんだんに取り入れられています。
ウルトラファストパック Ⅲ ウーブン GORE-TEX
タウンから山まで幅広く活躍する「ウルトラファストパック Ⅲ ウーブン GORE-TEX」(2万2680円)。
——履き心地の秘密はどこにあるのでしょう?
ソール
アウトソールは耐久性が必要な外側を、磨耗に強く硬い素材に。クッション性を持たせるべき内側にはやわらかいゴムを配しています。こういった工夫は長年培ったアウトドアへの知識、ノウハウがあってこそ。反発力が高いファストフォーム(TM)や、濡れた地面でも滑りにくいビブラム(R)メガグリップアウトソールなど、ハイテクも満載となっています。
ウルトラファストパック Ⅲ BOA GORE-TEX
「ウルトラファストパック Ⅲ BOA GORE-TEX」(2万4840円)。
さらに、着脱をスピーディにこなせるボアシステム採用モデルも。前出のウーブン同様、ストリートシーンで話題のギミックです。トレンド感に溢れた、タウンユースできるルックスなのが人気の秘密かもしれません。
——寒くなってきたらダウンシューズも外せませんね!
ヌプシ トラクションライト Ⅴ ウォータープルーフ チャッカ
圧倒的保温性にデザイン性とタフさを追加した「ヌプシ トラクションライト Ⅴ ウォータープルーフ チャッカ」(1万5120円)。
ダウンシューズは、元々はテントシューズとして1969年に生まれました。あまりに快適なので2006年からアウトソールを装着して、普段履きできる仕様にしています。今では防水性や中綿の改良が進み、デザインも豊富になっています。
——ちなみに、これらの靴は汚れたらどう洗えばいいのでしょうか?
汚れたら普通に水で洗い流してください。しつこい汚れは歯ブラシなどで汚れを取って、中敷きを外して陰干しすれば大体の汚れは大丈夫です。その際すすぎはしっかりと。場合によってはオイルや、防水スプレーなどメンテをかければ機能性はそんなに下がりませんよ。
 
命を預けることになるアウトドアギア。ザ・ノース・フェイスはブランド創設期から品質向上のためのチャレンジを怠らず、多くのアスリートとアウトドアマンの力になってきた。
その精神は、長く使えるように永久保証サービスにも表れており、メンテナンスの環境も整っている。今後はさらにそのサービスを拡大していくという。シューズをはじめ、数々なハイテクアイテムを繰り出す名門ブランド。まだまだ躍進が期待できそうだ。
小島マサヒロ=撮影 金井幸男=取材・文


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