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100年後に走る車を

新型スープラのテレビCMで章男氏はこんなことを言う。
「100年前にはアメリカには1500万頭の馬がいた。それが今は車に変わったが、それでも競走馬は残っている。だからFun to driveな車は必ず残る」と。
しかし10年余りのブランクの間に、当時スポーツカーを作っていた人たちは現場を離れ、新たに入ってきた人々はスポーツカーなんて作ったこともなかった。なので今回も、レースに参戦した当時のように無理矢理にでもスープラを作った。
実は新型スープラのベースはBMW製。同社のオープンカーZ4のクーペ版がスープラなのだ。
ベースはBMWのZ4。だがもちろん、同じ食材を使っても料理人が違えば味は変わるように、スープラもZ4とはまったく違うトヨタ味に仕上がっているはずだ。
つまり、「Fun to driveな車は残る」と語る章男氏が10年以上の想いを込めて作った新型スープラは、トヨタの次の100年を担うオリジナルのスポーツカーを作るにあたっての試金石というわけ。
そう思うと、章男氏のように“無理矢理にでも”この新型スープラを手に入れる価値は、十分にありそうだ。
 
籠島康弘=文


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