間違いなく後世も21世紀を代表するデザイナーと語り継がれる存在となるだろうトム・フォード。昨年、ようやくといっていいウォッチコレクションを発表したのも、まだ記憶に新しいところだ。
ありていに言えば「モードとクラシックを“トム流”にミックスさせたレクタンギュラーケース」だが、その独自性は大いに快哉を叫ばれた。
「N.001」(写真右)という名から第2弾が待たれていたところ、1年越しにラウンド型「N.002」(写真左)を発表。時針に備えたブレゲ針風の円から「時表示」が覗く視認性&デザイン性のセンスはさすが。
前作同様、ストラップの付け替えも楽チン構造で、カーフ、アリゲーター、グログラン、編み込み……と、その種類も豊富。「服を着替えるように楽しんで」という思いがよりいっそう強まった腕時計は、TPOの幅が増える40代にこそ打ってつけといえるだろう。
髙村将司=文