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2019.05.17

時計

街で着けるアウトドア時計の先駆け「スント・トラバース」が買えなくなる日

いくら名作と言われていても、廃盤となってしまうアイテムはある。今、市場にある分だけでおしまい。そんなファッション絶滅危惧種のなかから、これだけは!というアイテムをピックアップ。名作のLAST GIGS。チェックしないと損するぜ。
空前のアウトドアブーム。ギアもお手軽で高機能なものが日進月歩で登場しているけれど、アウトドア好きの間で信頼されている時計といえば、スント(SUUNTO)の「トラバース」だろう。
実はこの名作、残念ながら今季で一部生産が終了する。
そもそもウォッチメーカーのスントは、1936年に精度の高い液体封入式のコンパスを開発して、フィンランドで創業した。
機能も耐久性も高い時計は、長い間、登山家や探検家などに支持されてきたが、ブランドの存在を知ったのは、アウドドアスタイルが盛り上がった90年代というオーシャンズ世代は多いはずだ。
1998年には、気圧計や温度計、コンパスなどを搭載した世界初のアウトドア用コンピュータモデル「ベクター」を発表して話題に。それから17年後の2015年に、GPS機能を充実させて生まれたアウトドアウォッチが「トラバース」である。
アウトドアに欠かせない高度計、気圧計、電子コンパスに加えてGPS機能を充実させた「トラバース」。/スント
アウトドアに欠かせない高度計、気圧計、電子コンパスに加えてGPS機能を充実させた「トラバース」。特にトレッキングやフィッシング、バックカントリーなどで使いやすいモデルとして愛された。目的地までの最短距離をナビゲートしたり、コンパスは3D仕様だったりと画期的な機能が満載。グラスファイバーコンポジットケース、50mm径、充電式。4万3000円/スント 03-4520-9417
スントの時計は丸くて大きなケースが大きな特徴。「トラバース」もそう。
裏蓋にはモデル名とともに「MADE IN FINLAND」の文字。北欧デザインらしい洗練が宿る。
スントの時計は、丸くて大きなケースが大きな特徴。「トラバース」もまさにそれを体現していおり、北欧デザインらしい洗練が、街でも高い人気を誇ったのだ。
ちなみに“一部”生産終了というのは、「トラバース」のアイコンカラーであり、いちばん人気のあったオレンジカラーが、現在、市場に出回っているものが最後の流通だから。「トラバースをするならこの色」という人も多かった象徴が表舞台から身を引くのである。
過ぎ去った平成の時代は災害が多かった。そんな有事のときに、正確に自分の位置を確認できるGPS機能付きの時計は何かと役立つことは間違いない。
何だか平成の終わりとともに生産を縮小していく「トラバース」は、時代の移り変わりを象徴しているような気もする。
 
ただ、新しい時代ももちろん明けている。「トラバース」の次世代GPSウォッチとして2018年に登場した「スント 9(ナイン)」。そのシリーズの最新モデル「スント 9 バロ」はアスリート向けに設計されていて、GPSを使用した状態でも最長120時間の駆動を持続する。これはブランド史上最長なのだ。
こちらは、「トラバース」の次世代GPSウォッチとして2018年に登場した「スント 9(ナイン)」シリーズの最新モデル「スント 9 バロ」。
ガラス繊維強化ポリアミドケース、50mm径、充電式。7万8000円/スント 03-4520-9417
流線的なデザインもスタイリッシュで、ハイテク感がより際立っている。コイツが街での市民権を得る日も、そう遠くはないだろう。
 
[問い合わせ]
スント カスタマーサービス
03-4520-9417
高橋絵里奈=写真 長谷川茂雄=文


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