住まいに人の評価なんていらない
そもそも、住まいに他人からの評価なんていらない。そう原さんは考えている。画一的な住まいが多い日本だが、今後、原さんのような個性を尊重した家づくりが新たな潮流を作っていくのかもしれない。
「住んでて面白いと思える家に帰りたいじゃないですか。家を建てる場所や広さを気にするならデザインだって、もっとこだわってもいいはず。極端に言えばどれだけ小さい家でも、住んでて心地良くて自分らしくいられる空間であれば僕はいいと思うんですよね」。
そのアイデアのひとつが、【
前編】の冒頭で紹介した「タイニーアパートメントプロジェクト」だ。ありきたりな6畳ワンルームは原さんの手によって、まるでおしゃれな海外のアパートのように様変わり。原さんの愛情を感じられる空間だ。
「家が完成しただけでは暮らしって豊かにならないんですよ。どんな立派な家や設備でも使う時間や愛情がなければ、意味ないでしょう。だから僕は時間をかけても、住む人の理想の生活に根ざした愛情の持てる家づくりをしていきたいんです」。
「ライフスタイル・リノベーション」。無理せず自然体な、その生き方は、まさにライフスタイルを豊かにしていくという会社のコンセプトそのものだった。
藤野ゆり=取材・文 山田裕之=写真