>連載「オッサンIT化計画」を読むGPSによる移動距離や消費カロリーをはじめとするログが残せることから、アクティブな男たちに支持されるスマートウォッチ。中でも、トレッキングやマリンスポーツといったアウトドアレジャー愛好家に注目されているのが、カシオの「PRO TREK Smart(プロトレック スマート)」だ。その魅力はどこにあるのか?
登山超初心者のオッサンが最新機種「WSD-F30」(メーカー希望小売価格:6万1000円)を装備し、山歩きに挑戦。プロトレック スマートの使い心地を試してみた。
アウトドアでの使用に十分耐え得る
タフネスなスマートウォッチ
’90年代に登場した、高度や気圧、方位などの計測ができる「プロトレック」シリーズは、登山やトレッキング、フィッシングなど、よりハードなアウトドアレジャーをサポートする定番のギアとなっている。
そんな「プロトレック」シリーズのスマートウォッチ「プロトレック スマート」は、5気圧防水のほか、米国国防総省が制定したミルスペックに準拠する耐環境性能を有する。そんなタフネス性能に加え、Googleが開発したスマートウォッチ向けOS「Wear OS」を採用することで、アウトドアウォッチの可能性を大きく拡げているのだ。
最大1カ月の連続駆動も!?
バッテリーの持ちもアウトドア向け
実は、筆者は数年前からスマートウォッチの愛用者である。そのため、スマートウォッチの便利さや不便さは経験で知っている。スマートウォッチの便利なところは、なんといってもスマートフォンを取り出す機会が減ることだろう。
新着メールやスケジュールの確認を、ほぼハンズフリーで行えるのは、特に移動中には便利なもの。さらに歩数や消費カロリー、移動距離なども自動で記録されるので、健康管理にも役立ってくれる。
一方、現行のスマートウォッチで不便なところといえば、なんといってもバッテリーの持ちが悪いことだ。使い方にもよるが、一般的なスマートウォッチなら、一日使えれば良いほう。充電を忘れてしまうと、外出中に使えなくなってしまうことだって結構頻繁にあるのだ。
ゆえに試用するにあたって、いちばん気になったのは、やはり電池の持ちだったのだが……。その点はさすがアウトドアレジャー向けに開発されたスマートウォッチだけのことはあった。
いちばんの工夫ポイントとなるのが、カラー有機EL画面(390×390ピクセル)の上にモノクロ液晶画面を重ねた、2層ディスプレイ仕様だ。こちらで特に操作をしていない、いわゆるスリープ状態ではモノクロ液晶画面表示となり、バッテリー消費を大幅に抑えてくれる。
もちろん、モノクロ液晶画面になっている際には表示される情報が限定されるのだが、時刻情報に加え、高度や気圧などセンサーで計測した数値も、モノクロ液晶画面で参照可能。
ちなみに仕様書によると、「WSD-F30」は通常モード(GPS 非利用時)では約1.5日だが、基本はモノクロ液晶画面で地図表示など必要な場面でだけカラー画面を使う「エクステンド」モードなら、約3日(※)の連続駆動が可能になるという。さらに、モノクロ液晶画面を中心に使う時計とセンサー使用のみの「マルチタイムピース」モードのみなら、最大約1カ月の連続駆動が可能とのこと。
※GPSによる位置情報記録、地図表示を1日8時間、連続3日間行なった場合(使用環境によって変動する)。今回、実際に1泊2日のトレッキング旅行で「WSD-F30」を使った結果でいえば、物珍しさもあり時計を頻繁に操作してしまったことや、複数のアプリを起動させていたこともあり、残念ながら1日弱でバッテリー切れとなってしまったのだが、使い方に慣れてみれば、その後は2日程度なら充電なしでも十分に使い続けることができた。
泊りがけのアウトドアレジャーで「WSD-F30」を活用する際には、バッテリー節約や、電波が届かない場所での利用を考慮して必要な地図データを事前にダウンロードしておくなど、賢い使い方をマスターしておく必要がありそうだ。
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