「huenica(フエニカ)」はギタリストの榎本聖貴さん(37歳)、シンガーの伊藤サチコさん(37歳)による音楽ユニット。ふたりは仕事の相棒であり、夫婦でもある。 聖貴さんはかつてLOST IN TIMEなどロックバンドのギタリストとして活躍、サチコさんは10代から注目され、2001年にソロデビューを果たした実力派音楽夫婦だ。19歳で出会った聖貴さんとサチコさんは、ほどなく恋人に。その後、ユニットを結成し、夫婦になり……、約20年にわたって、ほとんどの時間を共有してきた。そんなふたりに、公私にわたりずっと一緒にいることへの本音を聞いた。
仕事中でも天気が良ければ家族でお出かけ。公私は明確に分けない
聖貴さん「子供が生まれる前は、週末はライブ、平日は自宅でレコーディングなどの制作作業を行っていました。今は子供がまだ小さいのでライブ活動は抑えめにして、ほかのミュージシャンの楽曲アレンジやアルバムをプロデュースする仕事が中心です。自宅にいることが多いため保育園にも預けていません。日中、子供が起きているときは基本的に一緒に過ごして、夜中にまとめて作業をする感じですね」 自宅の一室がレコーディングスタジオ。防音室ももちろん完備。お子さんの遊び場だ。夫婦ともにフリーランスであるため、楽曲制作の納期さえ守れば就業時間の拘束はない。その利点を最大限に生かし、とくに公私を分けずにゆるやかに活動している。 サチコさん「仕事をしていても天気が良かったら3人で遊びに行っちゃったりと、かなり自由です。それから、普段は夫の地元の埼玉で暮らして、春と夏は私の秋田の実家で過ごすようにしています。田んぼを手伝ったり、子供に田舎の暮らしを体験させたり。そういうことができるのは、夫婦ともにフリーランスで、同じ仕事をしているメリットですね」 サチコさんの地元・秋田での田植えの様子。公私が混在しているからこそ、「今は仕事の時間だから」などと縛られず自由に動ける。また、「生活と音楽が直結していること」はフエニカの活動にとって大事な要素でもある。 聖貴さん「日常や生活圏から音楽を生む、その空気感を取り込むのが僕らのやり方。同じ空間で生活して、同じものを見て、一緒に色んな場所へ行って、その思い出や風景を共有する。でも、それぞれ見え方や感じ方は違うから、それを合わせたときにすごく濃厚で新しいものができる。それがフエニカの強みだと思っています」 サチコさん「そう、だから私たちは互いに“同調”は求めません。何かを見て、『あれ素敵じゃない?』っていう会話は一切ない。でも、互いに何かしらを吸収していて、それがあるとき、音楽としてつながるのが楽しいんですよ」 ライブ限定で発売している、サチコさんのイラストが表紙のCD in ZINE。穏やかな日常を描いた楽曲が込められている。