ライカ以外の男心くすぐり系カメラさらに独自の美学を貫くカメラとしてピックアップしたいのが、リコーの「GR III」と広角レンズ一体型のシグマ「dp0(ゼロ) Quattro」、そして「ハッセルブラッド X1D-50c」だ。
「ミラーレスもいいんですが、一眼のクオリティを搭載したハイスペックコンデジも面白いんです」と吉澤さん。
両機に共通するのは、一眼レフと同等のスペックに加えてユニークな個性があることだ。
一眼のクオリティを小さなボディに詰め込んだ
「RICOH GR III 」今年の3月、プロからアマチュアまで幅広い層から支持を集めるリコーのGRシリーズから最新モデルがデビュー。ポケットにすっぽり収まるコンパクトさで重さは257g。小さなボディには一眼レフカメラに使われる大型センサーが搭載されているほか、手ぶれ補正機能や、彩度・色相などを細かく調整できる「イメージコントロール」機能などを搭載。
一眼クオリティで軽量のカメラはほかにもあるが、レンズキャップがなく、撮りたいときにすぐ起動する「GR III」は最強のスナップ機。しかもBluetoothでスマホに接続もでき、GPSによる位置情報の記録も可能。できるだけ身軽でいたいときのベストパートナーだ。
歪まない広角レンズで圧巻の景色を撮影 「シグマ dp0 (ゼロ)Quattro」シリーズ第4弾となる「dp0(ゼロ) Quattro」は大型イメージセンサーと、21mm相当の超広角レンズを搭載したレンズ一体型のデジタルカメラ。広角レンズといえど、センサー面から最短18cmまで「ヨリの撮影」も可能。オートフォーカスも素早く正確。ボケ感も独特の風合いを醸し出す。
通常21mmほどの超広角レンズだと被写体が歪むが、「dp0(ゼロ) Quattro」なら歪曲ゼロのダイナミックな広角写真を撮ることができる。運動会やアウトドアといったシーンで迫力ある写真が撮影できる。
被写体を引き立てるボケ味が美しい! 「ハッセルブラッド X1D-50c」吉澤さんも愛用するスウェーデンの老舗カメラメーカー、ハッセルブラッドのもの。2016年に登場した世界初のミラーレス中判デジタルカメラ「ハッセルブラッド X1D-50c」にも注目したい。
「圧倒的なプロ機ですが、ハッセルブラッドの中では使いやすく、ルックスと画質の良さはピカイチです」と吉澤さん。
人物を撮れば、美しいボケ味で被写体を際立たせ、ランドスケープを撮れば、絶妙な光のグラデーションでその場の空気感まで映し出す。
さて、次回からはいよいよ実践編。吉澤さんにレクチャーしてもらいながら、カメラ初心者のオトーチャンが我が子の撮影に挑戦! 動き回る子供の表情をいかに捉えるか、自慢したくなる写真を撮るにはどうすればいいか、子供のベストショット撮るノウハウに迫る。
吉澤健太(フォトグラファー)
ファッション、インテリア、車、時計、旅……多岐にわたるジャンルから引っ張りだこのカメラマン。クリエイターのためのワークスペース「rakuda」を運営しており、クリエイター同士の交流 、情報発信の場となるワークショップなどの活動にも取り組む。カメラ選び、写真の撮り方、子供撮影など個人向けの依頼も請けている。
吉澤健太=撮影 諫山由梨子=取材・文