家族が喜ぶスーパー“ファミリー”カー
スーパーカーはファミリーカーになる得るか? 答えはYESである。乗れば家族で過ごす時間すらスーパーになる、スーパー“ファミリー”カーを紹介しよう。
ファミリーカーとしても大人気のSUV。その中でのスーパーな存在を探したら、ロールスロイス、ベントレー、ランドローバーの3台が凄すぎた。
渋滞のクラクションも気にならなかったり、リクライニングシートでぐっすり寝られたり、後部座席で冷えたシャンパンが用意ができたり……。
こんなSUVだったら、近くのまで山と言わず、このまま世界でも一周してみようかと思いたくなる、スーパーラグジュアリーなSUVを紹介しよう。
「どんな悪路でもシャンパンはこぼさない!?」
ロールスロイス カリナン
世界中の貴族が愛するロールスロイス。道に凸凹なんて一切ありませんよ、と言わんばかりのその快適な乗り心地は、よく「魔法の絨毯のよう」と形容される。
そのSUVであるカリナンなら、どんな砂利道やぬかるみを走ろうとも、後部座席の子供たちはあまりの乗り心地の良さに熟睡しきっていることだろう。
もちろん乗り心地だけでなく、車全体で乗る人を徹底的に“おもてなし”してくれる。ドアハンドルに触れれば、膝をついて迎えるかのように車体全体が40mm下がり乗り込みやすくしてくれるし、4人乗りを選べば後席の中央にはシャンパングラスと冷蔵庫を収めたキャビネットが備わる。
バックドアも上下分割式で、下部分にはスイッチ1つで簡易なシートと小さなテーブルが現れる。運転に疲れたら(快適過ぎてなかなか疲れないが)外の空気を吸いながらホっとひと息がつけるのだ。
これはもはやSUVというより、カリナンという賢い執事を雇い入れたような気分になるだろう。
「“世界に一台だけ”のSUVを作れる」
ベントレー ベンテイガ
服をビスポークするように、世界にひとつだけのファミリーSUVを仕上げる。そんなある意味究極の贅沢ができるのが、ベントレーのベンテイガだ。
例えばボディカラーひとつとっても90色から選べる。当然インテリアも革の色やステッチの入れ方、ウッドパネルの種類などなどが選択でき、おまけに車内の時計にはブライトリング製の機械式を選択できるし、だいたいエンジンだってV12かV8、さらにはもうすぐハイブリッドも選べるようになる。
インテリアのアルミパーツや本革、ウッドといった素材を丁寧に組み立てるのはイギリスの熟練の職人による手作業。
一方で最先端技術もタップリ備わっていて、砂地、雪道など路面に合わせて8種類もの設定からエンジンや足回りをセットできるほか、ナビと連動して車速を自動で制御する機能や自動駐車機能も備わる。
世界にひとつだけの“我が家エディション”を作れるベントレーのSUVは、オンロードでもオフロードでも快適を約束してくれるのだ。
「水深90cmの川でも“優雅に”渡れるSUV」
ランドローバー レンジローバー SVオートバイオグラフィー ダイナミック
イギリス王室のウイリアムズ王子とキャサリン妃の間にロイヤルベイビーが誕生した際、王子がお迎えに乗っていたのがレンジローバーだ。
もちろん王室用は防弾仕様など特注だろうが、イギリス王室ではレンジローバーがよく乗られている。初代の頃からイギリス貴族が狩猟によく使っていたこの4WDは、ロールスロイスがカリナンを出すまでは「砂漠のロールスロイス」と呼ばれていた。
カリナンが出た今もなお、「砂漠のロールスロイス」のオフロード性能&ラグジュアリー性は色褪せていない。水深90cmの川を難なく渡れる渡河性能をはじめ、さまざまな路面状況に応じて車を一瞬でセッティングできる。
その一方でイタリアの高級家具メーカーであるポルトローナ・フラウ社製のレザーシートを採用するなど、伝統と革新の技術を織り交ぜた多彩なラグジュアリーエッセンスが詰め込まれている。イギリス王室御用達SUVなら、ジャングルの川だって、優雅に渡れるのだ。
忘れてしまいそうなので改めて申し上げるが、ここで紹介した3台はどれもSUV。でもこのSUVのSは、「Sports」のSじゃなくて、「Superior(上級な、上位の、より優れた)」のSなんじゃないだろうか。
籠島康弘=文