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何を話しても理解し合えないという諦めの言葉

もう1つ、同じような意味合いで使われる言葉として「私が全部やればいいんでしょ」という言葉があります。
まったく違う言葉じゃないかと思われるかもしれませんが、この言葉を言ってしまう女性の気持ちの根幹は、ほぼ一緒なんじゃないかと思っています。
それは、何を話してももう分かり合えないな……という絶望感。
「言っても何もやってくれないから、もう私が全部やればいいんじゃないかと思って、言うのをやめました」(ひろこさん、仮名、6歳女子のママ)という話を先日聞きました。
このママは、実際そのように夫に伝えたかどうかは確認していませんし、普段からどんなコミュニケーションを取っているのかまではわかりませんが、「私が全部やればいいんでしょ」という言葉を言ってしまうママの気持ちはこんな感じなんだと思います。
男性からしてみれば、急にこんなことを言われたら戸惑うと思います。普段、自分は家事育児にも積極的だと思っているパパなら、なおさら腹が立つかもしれません。
そんなこと言ってないで、問題点を見える化して、もっと前向きに問題を解決していけるようなコミュニケーションを取ろうよ、と言いたくなってしまうのかもしれません。
しかし、問題点を見える化して、夫と交渉するといったことが得意ではないママも多いと思うのです。そこで、ぜひ、「そう言わずに、どう分担したらお互いにいいのか、もう少しちゃんと話そうよ」と、ここでも、冷静に話し合えるように、リードしていただけるといいのではないかと思います。
なーんて言ってる私ですが、私もなかなか夫婦間のコミュニケーションだと、仕事のようには振る舞えないですね。なんでだろう……(笑)。家族だからわかってくれて当たり前と、ついつい思ってしまっているからかもしれません。それも良くないですよね。
さらに、夫婦喧嘩は、売り言葉に買い言葉で、こういうひと言からさらにヒートアップしてしまうこともあります。だから、うまく仲直りする方法を見出すことも大事なのかもしれません。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力(調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人)
■妻たちの言葉、どんな事情が潜んでいる?
前回「『もっと頭を使いなさいよ!』家事・育児の場面で、妻はなぜそんなに厳しい?


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