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――大会をやりたいと、いつごろから考え始めたのでしょうか。
3年ぐらい前から仲間内で、「こういうことできないかな? 実際にやるとしたら、いくらかかるの?」って話はしていたんですよ。それを五味さん(実業之日本社文芸出版部の五味克彦氏、元スノーボード指導者)などに相談しているうちに、一度開いてみようという話になって。まずはやってみて、費用の規模がとても続けられないようなものになったらやめよう、となったのです。

みんなが面白いようにつくって

――現時点では開催費用のうち、東野さんはどれぐらいを拠出しているのですか。
ほぼすべてです。ありがたいのは、開催スタッフをみんなが手弁当で務めてくれていることです。人員まで費用を出して集めるとなったら、とんでもない費用規模になっていました。
東野氏はスノーボードやゲレンデを題材に作品を書くこともある(写真:梅谷秀司)。
――どういった人がスタッフをしているのでしょう。
それはもう、スノーボードが好きな人たちです。そこに僕はすごいなと感心しているんです。みんな冬場は各地のゲレンデで、バラバラに活動しています。インストラクターだったり、スキー場の運営に関わるいろんな仕事だったり。みんなそれぞれの本業があるので、本音を言うと2月とか3月に開きたいんですが、できないんですよ。
――まったく歴史もない新しい大会に、多くの人が手弁当で集まってくれるのはなぜでしょう。
面白いからだと僕は信じています。スノーボードが好きな人に、「みんなが面白いようにつくって」と好きなようにしてもらっている大会ですから。
昨年の表彰式の模様。国内最高の賞金額は今年も変わらない(写真:スノーボードマスターズ実行委員会)
昨年、初めて開いたときには、選手の反応がすごくよかった。すごくベタなのですが、「こんな大会をつくってくれて、ありがとうございます!」って言ってもらえたんです。みんな、こういう機会に飢えていたのかもしれません。とにかくすごく喜んでくれたので、決して的外れなことはしていないかなと思っています。


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