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2019.04.09

たべる

35年の時を超えて。“伝説のホップ”香るサッポロの新作クラフトビール

芸術をはじめあらゆる世界において、往時は見向きもされなかったが、のちに改めてその価値を認められる、なんてことはある。
サッポロビールの新作は、そんな紆余曲折を経て現代の日本に蘇った“伝説のホップ”が主役の、ストーリーのある一本だ。
イノベーティブブリュワー ソラチイチキュウハチヨン
「Innovative Brewer SORACHI1984(イノベーティブブリュワー ソラチイチキュウハチヨン)」350ml缶 250円/サッポロビール 0120-207800
サッポロビールのクラフト事業「イノベーティブブリュワー」のフラッグシップとして誕生した「Innovative Brewer SORACHI1984」は、1984年に同社が作ったフレーバーホップ「ソラチエース」を100%使用した軽やかなゴールデンエール。
このソラチエース、大きな期待を背負って生まれたはいいものの、当時の日本ではその斬新すぎる香りが受け入れられず、以来、日本国内で日の目を見ることはなかった。
だが、作り手の感性を刺激する独特の個性は、アメリカで花開くことになる。きっかけは、2000年台初頭のアメリカで起こったクラフトビールブーム。そこから表舞台に躍り出たソラチエースは、“味に違いをつくるホップ”として、今では世界中のブリュワーに重宝されるようになったのだ。
イノベーティブブリュワー ソラチイチキュウハチヨン
缶の裏側には苦難の歴史を語る言葉。そして、詳しいストーリーを知ることができるウェブページへのQRコードが記されている。
そんなソラチエースが、今年いよいよ日本に凱旋。ホップの開発から商品化まで、およそ35年もの歳月がかかったことになる。ソラチエースの特徴である杉やヒノキ、レモングラスのような香り。爽快感と深い余韻が同居する味わいは、まさにジャパニーズ・クラフトビールを体現した存在といえよう。
長い苦難の時を経て、世界を驚かせた日本のモノづくり。いろいろ経験した今だから、何だかよけいに心惹かれるものがある。ビールが好きでもそうでなくとも、その凛とした味わいと物語に感じ入りたい。
 
[問い合わせ]
サッポロビール
電話番号:0120-207800
www.sapporobeer.jp
中山秀明=文


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