スニーカーと革靴。僕らの興味が尽きない理由は、どちらにも男心をグラリと動かすロマンがあるからだ。
前者は
連載【スニーカー世代を刺激する「一足触発」】で大いに語られているところだが、後者はサルヴァトーレ フェラガモが手掛けた最新作が改めて教えてくれる。
確かに革靴なのだが、よく見れば革を縫わずに“編んで”仕立てた、まるでアートピースのような紳士靴だ。熟練職人によるオールハンドメイドだというから、その技術力には舌を巻くばかり。そう、この革靴を生んだのは“人の手”。
ゆっくりと時間をかけて、人から人へ伝承されてきた匠の技をここに見て取ることができる。しかも本作は革靴につきもののムレとは無縁、ラバー製の超軽量ソールを装着し、快適極まる履き心地だ。
隅々まで眺めてしまう人の技。これだから革靴の世界は面白いのだ。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、実川 実=文