四角いボトルの発泡性ワインとは珍しい──と驚いた貴兄はなかなかのワインツウかと。ボトルに角があると炭酸が発泡しやすくなり、高まったビン内の気圧に栓が耐えられない、というのが通説。
だが「このワインの素晴らしさを美しい見た目とともに届けたい」という男の情熱が既成概念を覆した。
プロデューサーの葛西真生氏は、バーレーンの首都マナーマ生まれのロンドン育ち。2008年に日本に移住すると、’11年に東京・白金でイタリアンレストラン&バーをオープンする。そのときに出合ったイタリアの小さなワイナリーのワインに感銘を受け、8年を費やしてこの「マナマ」を完成させたのだ。
酸味が少なく、どんな料理とも相性のいいスパークリングの赤ワイン。これは、ワインに詳しい人にも縁がなかった人にも、新たな発見をもたらしてくれると思う。
鈴木泰之=写真(静物) 柴山陽平=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、実川 実、iconic=文