連載「テクが手土産、日帰りDIY」
「Do It Yourself.」 第二次大戦直後にイギリスから始まった復興目的のムーブメントも、今や定番ホビーのひとつ。DIYテクニック習得を狙えるワークショップを開催しているスポットも少なからず存在する。未経験者からベテランまで、行けば必ず何かを得られるはず!
アンティーク風マルチスツール製作を教わる
さまざまなショップやクリエイターが集うレインボー倉庫横浜。多くのイベントを行うスペースなのは
前回もお伝えしたが、4月21日(日)には、屋内・屋外問わず使い勝手のいいアンティーク風マルチスツール製作のワークショップを開催する。
今回は特別に当日と同じ材料、道具を用意してもらい、本番同様にレクチャーしてもらった。
今回は特にDIYの基本である木材同士をつなぐ手段、釘打ちに関するテクニックに注目。電動ドリル、釘、金槌、釘締め。誰もが見たことはあるけれど、意外と不慣れな道具たちとの、上手な付き合い方がわかるはずだ!
材料はレインボー倉庫で販売している、風合いの良い古材。個人でカットするのは難しいため、あらかじめ寸法通りのサイズに処理してある。ツール類もすべて借りられるが、軍手のシェアに抵抗があるなら持参を。
事前の穴開けで釘通しをスムーズにまず、釘が打ちやすくなるよう、2枚の横板に電動ドリルで垂直に穴を開ける。1枚につき左右3つずつ、計6箇所を貫通させる。固定先になる縦板を並べ、厚みを確認しながらやると間違いがない。的がズレないようにペンで印をつけてからでもいい。「不安定でグラグラしていると怪我をする恐れが。平らな場所にいらない板を敷き、その上で作業するのが理想です」(小日向さん、以下同)。
接着剤も使ってさらに強度アップ
横板と脚になる縦板を釘で固定する前に、木工用の接着剤も噛ませる。より強度を高めるためのひと手間だ。
金槌は力まずまっすぐに振り下ろす
板同士の角をキレイに揃えてから、しっかりと押さえて釘を打つ。さほど力は入れずとも良いので、金槌をまっすぐ降ろすのに集中すべし。
”釘締め”が完成度を高めるポイント
6箇所打ち終わったら釘締めを。釘締めと呼ばれる道具を釘頭に当て、その上から再度打ち込むのだ。これにより釘が深く板に入り、凸のない滑らかな表面に仕上がるわけ。「専門的に思えますが、それほど難しくはありません。マスターすれば強度だけでなく、見た目もレベルアップしますよ」。
正確な位置に穴開けして棚板をつける
コの字型が組めたら、適度なサイズの板を縦板の内側に沿わせ、その上に棚板をセット。棚板の高さに合わせて、縦板へ横から穴を開ける。片側に3つ、両サイド合わせて6つ。「正しいポイントに穴が開くよう、横からちゃんと確認してからドリルを入れます」。
上下の板を同じように固定する
棚板と縦板を釘で固定し、釘締めも行ったら、残った横板の固定。すでに行ってきたのと同様、接着剤を付けたのち6箇所釘打ちする。「土台がほぼ完成しているので、今までより簡単にできますよ」。
キッチリ釘締めしてフィニッシュ!
最後に釘締めを忘れずに。1 台のマルチスツールが完成するまでに、合計16箇所の釘処理を経験。電動ドリルや金槌扱いに自信がついたはず。
完成したマルチスツールはチェアとしてはもちろん、踏み台や棚にまでなる優れもの。単純ゆえに頑丈で、子供が乗っても心配無用だ。「棚板は一般的な雑誌が収まるサイズに設定しています。いろんなシチュエーションで活用してほしいですね」。
次回は、このスツールを一層アンティークな雰囲気に仕上げる、ワックス加工について指南いただく。
[ショップデータ] レインボー倉庫(横浜) 住所:神奈川県横浜市南区山谷92 電話番号:045-516-5910(有限会社ティープラスター)https://rainbowsoko.com/rent/yokohama/山田裕之=撮影 金井幸男=取材・文