OCEANS

SHARE

  1. トップ
  2. ファッション
  3. 野口強、熊谷隆志らファッション界の重鎮8人が語る“気分のデニム”

2019.03.24

ファッション

野口強、熊谷隆志らファッション界の重鎮8人が語る“気分のデニム”

スタイリスト、デザイナー、バイヤー、プレス……。青春時代からデニムを愛し、その酸いも甘いも噛み分ける業界の重鎮たちは、今、どんなデニムをどんな風にはくのが気分なのか? 体形的な悩みから、着こなし、洗濯方法までいろいろ訊いてみた。
デニム/マインデニム、ブルゾン/ワコマリア、Tシャツ/シュプリーム、ブーツ/マインデニム×ノンネイティブ、サングラス/ナンバーナイン
デニム/マインデニム、ブルゾン/ワコマリア、Tシャツ/シュプリーム、ブーツ/マインデニム×ノンネイティブ、サングラス/ナンバーナイン
スタイリスト 野口 強さん(55歳)
古着からモードまで、幅広いデニムをはき倒してきた野口さん。自身の手掛けるマインデニムのプロダクトには、その知見が凝縮されている。
「この細身のブラックデニムは何本も所有している定番。極端に細いものや硬すぎるデニムをはくのは年齢的にもシンドイから、ストレッチ入りが基本かな(笑)。ただしデニムの風合いを損ねないポリエステル2%の混紡率で。下ろす前に必ずカットオフしてから洗いをかけて、自分の丈感に馴染ませることが、最近多いですかね」。
 
デニム/テイラースティッチ、ブルゾン/シュプリーム、パーカ/ウィンダンシー、ブーツ/ダナー ×ホワイトマウンテニアリング、ニット帽/オールタイマーズ
デニム/テイラースティッチ、ブルゾン/シュプリーム、パーカ/ウィンダンシー、ブーツ/ダナー ×ホワイトマウンテニアリング、ニット帽/オールタイマーズ、サングラス/アヤメ、腕時計/チューダー
スタイリスト 熊谷隆志さん(48歳)
ここ最近の熊谷さんのデニムは、もっぱらテイラースティッチだという。7〜8年間、はき続けたことによって、自分好みの色・形に仕上げられたデニムは唯一無二の相棒だ。
「これは形がとにかくキレイなストレート。このシルエットを少しサイズを上げてはくのが今の気分かな」。ちなみにデニムの手入れは、はいたらすぐに洗濯が基本だ。育て上げたデニムを軸に、今ハマり中のブルー、パープル、ブラックという配色で構成した、昔ながらのカレッジスタイルが実にカッコいい。
 
デニム/ヴァルト、パーカ/ノンネイティブ、ブーツ/ロッシブーツ、サングラス/レイバン
デニム/ヴァルト、パーカ/ノンネイティブ、ブーツ/ロッシブーツ、サングラス/レイバン
スタイリスト 宮島尊弘さん(48歳)
「自然と汚れるし、色落ちを気にしたことは一度もない」。宮島さんにとってデニムとは、あくまで身近でラフな存在だ。
「気取らずカジュアルにはきたい。とはいえ、ルーズなものは好きじゃないから、スリムタイプがメインですね。最近、太腿回りがキツいので腰回りに余裕を持たせたものをチョイスすることが多くなりました」。しかし膝下からテーパードされ、スッキリとしたシルエットには、宮島さんの好みと今の気分が如実に表れているようだ。
 
ジャケット/リーバイス、パンツ/ディッキーズ × ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ、Tシャツ、ニット帽/ともにベドウィン & ザ ハートブレイカーズ、スニーカー/アディダス
ジャケット/リーバイス、パンツ/ディッキーズ × ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ、Tシャツ、ニット帽/ともにベドウィン & ザ ハートブレイカーズ、スニーカー/アディダス
ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ デザイナー
渡辺真史さん(47歳)
「最近は太いワークパンツが調子いいです」。そう語る渡辺さんが同時に重視していることは、「昔から好きだったデニム特有の素材感。でもボトムスの場合、デニム素材の悪い部分、ごわつきを感じやすくストレスになるからGジャンに手が伸びることが多くなりました」。
通称“大戦モデル”のレプリカは、ソリッドな表情が気に入っているとか。「でも、これだけを着ようとは思わない。今、デニムとのいい付き合い方って、バリエーションを楽しむことだと思うんです」。原理主義に陥らず、広い視野で見る。これもデニム愛なのだ。
 
デニム、パーカ/ともにアトリエ & リペアーズ、帽子/サシキ、靴/クラークス オリジナルズ、メガネ/ルノア、ブレスレット/エルメス
デニム、パーカ/ともにアトリエ & リペアーズ、帽子/サシキ、靴/クラークス オリジナルズ、メガネ/ルノア、ブレスレット/エルメス
ワンオー・オーショールーム シニア マネージング・ディレクター
大坪洋介さん(62歳)
これまで数々のデニムブランドの企画に携わり、「デニムは自己表現」だと持論を語る大坪さん。無数に所有する中から選んだデニムには、唯一無二の味がある。
「アトリエ & リペアーズのプロダクトは、在庫として眠っていた古着に刺繍などを加えて再生させたもの。どれも人と被らないのが魅力です。サイズ感はいつもより少し大きなウエスト32インチを選んでいます。少し太めのくるぶし丈が今の理想形かな」。着用したデニムの裾幅や丈感ともマッチするという、クラークスのワラビーも目下ヘビロテ中だ。
 
デニム/レディッシュブラウン、ジャケット、スカーフ/ともにフィグベル、靴/パラブーツ、メガネ/モスコット、ニット帽/ヘイマット
デニム/レディッシュブラウン、ジャケット、スカーフ/ともにフィグベル、靴/パラブーツ、メガネ/モスコット、ニット帽/ヘイマット
スタイリスト 小林 新さん(40歳)
上下をリジッドのデニムで揃えたスタイル。そこには「自分で色を落として初めて、デニムが“自分のもの”になる」という想いとともに、「ユニフォーム感が今、面白い」という40歳の心境が表れている。
上下で異なるブランドながら、色みを合わせ、シルエットに明確なギャップを作ってバランスを取る。巧みなコーディネイトにおいて、清潔感も重要なキーワードだ。「デニムというアイテム自体がカジュアルなうえ、シンプルに着る分、そこは気を付けたいですよね」と小林さん。
 
デニム/A.P.C.、ジャケット/リーバイス、パーカ/ギルダン、靴/パラブーツ、ニット帽/古着
デニム/A.P.C.、ジャケット/リーバイス、パーカ/ギルダン、靴/パラブーツ、ニット帽/古着
スタイリスト 梶 雄太さん(44歳)
ここ数年、梶さんはA.P.C.のプチスタンダードばかりはいているそうだ。いつでも買えることに加え、流行に左右されない洗練されたシルエットに絶大な信頼を置いているとか。
「仕事柄、たくさんの服を見るけれど、自分の服装は昔からほぼ変わらない。でもトレンドを無視しているわけじゃない。このリーバイスのGジャンは展示会でカスタムオーダーしたお気に入り。XLを選んで今っぽいサイズバランスにしています」。
 
デニム、ジャケット、カットソー/すべてオーベルジュ、スニーカー/ニューバランス、キャップ/ポロ ラルフ ローレン
デニム、ジャケット、カットソー/すべてオーベルジュ、スニーカー/ニューバランス、キャップ/ポロ ラルフ ローレン
オーベルジュ デザイナー
小林 学さん(52歳)
ほぼ毎日をデニムで過ごす小林さん。彼の気分なデニムはと言うと「リーバイス501の黄金期に生産されたアメリカ・バレンシア工場製のものをベースに、好みの形へとカスタムしたものです」と、完成したばかりの1本をはいて登場してくれた。
オリジナルのすごみと今の気分、両方をリスペクトして楽しむ。これが求道者の答えだ。このブーツカットは「’70〜’80年代の境目を意識したシルエット」。それを、同じく気分だというクリーンなフレンチスタイルでまとめ上げた。
 
恩田拓治、長尾真志、比嘉研一郎、志賀俊祐、高橋絵里奈=写真 戸叶庸之、菊地 亮、黒澤卓也=取材・文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。