何事か? と我が目を疑うのも無理はない。着用しているのは、紛れもなく本物の植物。しかも、腕時計から生えたなんともフクザツ怪奇な面構え……。
作ったのは、H.モーザーだ。芯のある物作りが、時計ファンに高く評価されており、かつてはスイス製のチーズによるケースの腕時計を作って「スイスメイド」表記の意義に一石を投じたことも。
最新コンセプトモデル「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」は、100%スイス産の植物と天然鉱石を使用。人間の行動ひとつですぐにでも壊れてしまう自然環境に警鐘を鳴らすシンボルとして作った。そして機能として“酸素の浄化”をあげるなど、ウィットに富んでいるのがモーザーらしい。
実際、フェアトレード素材の使用や「責任あるジュエリー協会」への認定を進めている。この時計は着用こそできないが、こんなブランドの姿勢こそ「名刺代わり」としたいものだ。
加瀬友重、髙村将司、実川 実、iconic=文