「衣食足りて礼節を知る」という。つまり、礼儀正しくできるのは豊かさの表れということ。
そして豊かさはモノにも表れる。もちろん高価なモノという意味ではなく、気遣いが行き届いているかどうかが、心の豊かさだ。だからこそ俺たちはモノにこだわるんだ。
「ジョンロブ」の靴
今一度言おう。「ビジネスや冠婚葬祭までOKなストレートチップはお洒落ではなく礼儀」だと。なかでも英国靴の絶対王者、ジョンロブの「シティⅡ」はその極みだろう。端正で気品あるデザイン。これ以上礼儀正しい靴がほかにあるだろうか。
「マルアイ」ののし袋
ポチ袋の選びは意外と難しい。収める金額的に大ゲサなのは合わないし、子供のお年玉袋っぽいのも野暮だ。その点、タグの形をした「こころふだ袋」は大きさといい、水引といい、過不足ないセンスの良さを感じさせる。借りていた小銭を返す際に使うのもスマート。
「スマイソン」のカードセット
特別な日のメッセージカードは、英国王室御用達のステーショナリーブランドで決まり。ゴールドカラーで型押しされたモチーフや縁取られた最高級紙のカードなら、シンプルなメッセージでも特別感は3倍増しに映るはず。
「スノアサークル」のアイマスク
いびきで安眠を妨害するハラスメント“いびハラ”の最善策を発見。眠る前に装着しておけば、骨伝導と音認識で発生したいびきを識別、喉の筋肉を引き締めることでスムーズな呼吸を促してくれる。旅行の際は周囲への礼儀として。
「モンブラン」のインクボトルと万年筆
モンブランのインク「ミッドナイトブルー」はかすかに紫がかった濃紺が特徴だ。礼儀正しさのなかに上品な色気のある色を漂わせる。アナタならどんな手紙に使う?
「B印 ヨシダ」の袱紗
齢四十を過ぎたら、袱紗もちゃんとしたものを。例えば、?田カバンの技術力が炸裂したこちら。ジャケットのポケットに入れてもシルエットに響かないよう糸の細さやステッチまで配慮した極薄作りのコードバン製。作り手の礼節をも感じる逸品。
「パンセレラ」のソックス
欧米ではパンツの裾からスネ毛が見えるのは、げっぷよりも無礼とされている。ゆえに紳士たちは膝下まであるロングホーズを愛用するのだ。英国ブランドのパンセレラの定番は、均等な細リブが心地良いテンションでふくらはぎを包み込む。
「ユルリク」のノートパッド
仕事で同僚や部下にお礼を伝えたいときにあると便利な一筆箋。あえて普通のノートで使われているような紙を採用することで、気負った感じは出さず、でもちゃんと感謝の意を伝えるのに最適。さりげないけど、こういったところに気を使える男は、男から見ても素敵だと思うんだ。
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「ギンザタナカ」の純金名刺
特殊な圧延技術で作られた1枚1gの純金名刺。初対面でこんなのを差し出したら、顔も名前も一発で覚えてもらえるに違いない(笑)。冗談はさておき、定年退職する上司や独立祝い、昇進、栄転する人などへの贈り物にしたら喜ばれるかと。1万2223円/ギンザタナカ 0120-556-826
「新正堂」の最中
かの忠臣蔵の浅野内匠頭が切腹した田村屋敷跡にある和菓子店の名物「切腹最中」は、取引先へ謝罪に赴くビジネスパーソンの定番お持たせ。純度の高い砂糖を使用し、求肥の入ったあんが絶品。言うまでもなく購入の際は自腹を切るべし。1345円[5個入り]/新正堂 03-3431-2512
「よし彦」の風呂桶
かつて俳優・緒形拳は毎年末に作家・池波正太郎に風呂桶を贈っていたという。一年使うとガタが出てきて年末に再び新品が届くという。この思慮深さこそ礼節の神髄。これを真似るなら、すべすべの肌と芳しい香りを持つ木曽ひのきの逸品を選ぶべし。5800円/よし彦 0264-22-2156
山田秀隆=写真 佐々木 誠=スタイリング 押条良太(押条事務所)=編集・文