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ハンズフリーで会話できる点が魅力の「WT2 Plus」

一方のWT2は、写真のとおりイヤホン型のリアルタイム翻訳機だ。専用アプリをインストールしたスマートフォンと、Bluetooth経由で接続し利用するスタイルになる。
WT2 Plus
2個セットになっているため、うっかり両耳にはめてしまいそうだが、片方は自分用、もう片方は会話をする相手(ゲスト)用の端末だ。
WT2 Plus
翻訳機としての使い方は基本的にカズナと同様だが、WT2の場合、話を始めると自動的に録音→翻訳→相手側の端末で翻訳された音声の再生が実行される「自動モード」が用意されている点が大きな魅力と言える。
スマホ画面
なるべくゆっくり明瞭に発声したり、会話の“間”を多めにとったりといった配慮は必要だが、会話中に操作が必要ないところは、かなり“ほんやくコンニャク”に近い存在と言えるだろう。
雑音が多い環境で翻訳の精度を高めたい場合は、端末のセンサー(指紋の部分)をタッチ、またはアプリの画面上にあるボタンをタップすることで聞き取りを始める「タッチモード」を使う。
スマホ画面
いずれの場合でも、イヤホン型の端末だけに、翻訳された音声が直接耳に届く感じが、いかにも“リアルタイム”な印象を醸す。特に自動モードなら両手がフリーになるため、メモを取りながらの会話や、身振り手振りを交えた会話も可能になる。
とはいえ、自動モードは騒がしい環境では上手く動作しない弱点があるため、屋外での使用はちょっと厳しいところ。自動モードを中心に考えれば、海外旅行ならネイティブとより一層親交を深めることや、商談や打ち合わせなどビジネスシーンでの活用に向いている機種といえるかもしれない。
今回、2つのリアルタイム翻訳機を使ってみて思ったのは、海外旅行やビジネスシーンにおける“実戦登用”はもちろん、語学学習の教材としても、かなり役立つのでは? ということだった。
例えば、ユーチューブにアップされているTEDのスピーチ動画も、翻訳機を使えば字幕なしで、ある程度意味を理解できるため、いわゆる“聞き流し”学習の効果が期待できそう。実際、「ポケトーク」を含め多くの翻訳機が語学学習のためにも活用されているようだ。
結局は、語学学習の呪縛から逃れられない運命なのかもしれない……と思うかもしれないが、それでもリアルタイム翻訳機があれば、語学コンプレックスがかなり解消されるし、何よりコミュニケーションの補助としては打ってつけ。リアルタイム翻訳機は、グローバル社会に取り残されたくないオッサンにこそ、使ってほしいガジェットなのである。

石井敏郎=文


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