レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが高い位置で弾いていたギター。キース・リチャーズが低い位置でかき鳴らしていたギター。それは、フェンダーのテレキャスターだ。
「ストラトにはない個性が格好いいんだよなぁ」と口をついたオッサン諸君。あなたにフェンダーの新作「アメリカン アコースタソニック テレキャスター」を紹介したい。
見た目はエレアコだが……
「ちょっと待て。全然テレキャスじゃないぞ」と思った人、ちょっと待て! フォルムやヘッド、ボディのスイッチ周りをよく見りゃ息吹は残っている……。とはいえ目が行くのはアコギみたいなセンターホール。これ、どーゆーことよ?
「アメリカン アコースタソニック テレキャスター」がほかのギターと違う点はまさにココ。このセンターホールによってボディを共鳴させ、美しいアコースティックサウンドを奏でつつ、シングルコイルのピックアップがエレキな音も表現してくれる。つまりコイツは、アコギでありながらエレキなギターでもあるのだ。って、どーゆーことよ?
読むより聴くが早いと思うので、こちらのムービーを再生されたし。
変幻自在な音色は、エレキギターの音を出す心臓部“ピックアップ”を手掛ける名門、フィッシュマンとの共同開発で生まれたアコースティックエンジンによって奏でられている。これが、エレキサウンドはもちろんアコースティックもイケる理由で、その2つをブレンドした音も作り出せる。さらにはスイッチ類の操作によって、マホガニーやメープルなどボディの素材による音の違いまで表現。エフェクターを使わず10種類もの音色を奏でてくれるのだ。
ちなみに、かつてのテレキャス同様、「アメリカン アコースタソニック テレキャスター」はアメリカ・カリフォルニア州で生産されている。ボディはマホガニー材、指板はエボニー材を使い、プロユースとしても満足のいく出来映えだ。
元バンドマンも、これからギター入門を企む人も、エレキ派もアコギ派も、なんならプロも。全員を納得させる今までなかった次世代ギターが出す八方美人な音。試しにポロロローンとやってみたいものだ。