そんな千鶴さんの趣味は「食べること」。最近食べたものの中で一番感動したのは「ワッフルチキン」だという。ワッフルチキン?
文字通り、ワッフルの上にチキンが乗っていた。「渋谷の『モジャ イン ザ ハウス』っていうカフェのメニューなんですが、蜂蜜をかけて食べます。これがめちゃめちゃ美味しかった!」
なお、「むしろ、インスタに上げるために出かける感じですね」と言うほどで、女子高生のインスタ信仰は我々の想像を超えて相当に厚いようだ。
アクアシティお台場の「LOVE」も当然押さえる。インスタのほかに流行っているものを聞くと、「『TikTok』ですね」と、これまた予想通りITブームの先端を行く。若者を中心に人気が広がっているショート音楽動画共有アプリだ。
恥ずかしながらどんなものか知らなかったので、千鶴先輩にお気に入りの作品を見せてもらった。
お、おお……。なるほど、口パクで曲に合わせて動くのか。というか、プロが作ったPVのようなクオリティではないか。世の女子高生たちは、こういうものを日々生み出しているのだ。
「自分だけ時が止まって周りは動く」という設定の寸劇。「カメラワークがポイントですね。収録時間は前は15秒だったけど、最近30秒に伸びました」
こんな面白いツールを持っていたら授業に集中できないのでは?
「先生にバレたら没収されて反省文を書かされるので、授業中はいじりませんよ。校則が厳しくてメイクやピアスも禁止です」
なるほど。ここで厨房担当の男性スタッフに千鶴さんの印象を聞いてみた。
「元気で明るくて頑張り屋さん」という評価でした。千鶴さんが言う。
「この店はスタッフもみんな個性的で本当に楽しい。友達とかはバイトの愚痴ばっかり言ってるけど、私は一個もないですもん」
しかし、居心地がいい店だ。隣のカップルはかなりのハイペースでホッピーの中をお代わりしている。
鷺宮商明会が発行するフリーペーパー『さぎプレ』。
「博多屋 鷺宮店」も当然載っていた。千鶴さんの発言で印象的だったのは「アイドルや芸能人にあんまり興味がない」という発言。今どきの女子高生はひたすらリアルな恋愛を追求しているそうだ。
「私、理想的な誕生日プレゼントのもらい方が決まっていて」
ほう、何でしょう。
「当日、彼氏の家に呼ばれて、部屋に入ると『Happy Birthday!』って書いてある風船が敷き詰められているんです。感動しながらよく見るとぬいぐるみのクマさんの首に4℃のネックレス、手にはディズニーチケットっていうやつです(笑)」
いつか、実現しますように。そして、お父さんが泣いちゃうから高校を卒業したぐらいのタイミングでお願いします。
元甲子園球児も働いていたようです。さて、胸が一杯になったところでお会計を。読者へのメッセージもどうぞ。
3年生になっても働く気満々です。[取材協力]
博多屋 鷺宮店
住所:東京都中野区鷺宮3-15-13 鈴木ビル1F
電話番号:03-5356-8845
石原たきび=取材・文