FUN! the TOKYO 2020 いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。何かと “遊びざかり”な37.5歳は、 この一大イベントを思い切り楽しむべき。 競技を観るのもするのも、主な拠点となる東京を遊ぶのも、 存分に。2020年の東京を……Let’s have FUN!
技術や記録、そして生き様に共感する。「WHO I AM」という番組
パラリンピックを目指す、世界中のパラアスリートたちに迫るドキュメンタリー番組「WHO I AM」。 2016年にIPC(国際パラリンピック委員会)とWOWOWの共同プロジェクトとして始まり、2020年まで計5年間続く予定の長期シリーズである。現在は3年目、シーズン3までの放送を終え、あと2シーズンが控える。
この世界中のアスリートたちのキー・ビジュアルの撮影を担当しているのは日本のフォトグラファー、新田桂一。広告やファッションなど多分野で活躍する彼が撮ったアスリートたちは、みな鮮烈で力強く、そしてクールだ。 彼がパラアスリートを撮る意味は、「WHO I AM」ーー「これが自分だ!」というタイトルにも通じる。英語圏では「私を見て!」という意味で使われることもあるという。 このプロジェクトは、スポーツドキュメントというよりは、人間ドキュメント。もちろん競技とそれにまつわる技術や取り組みなども重要なエッセンスだが、番組から最も強く伝わってくるのは、パラアスリートたちの生き方そのものである。 パラリンピック、パラアスリートと聞いたとき、「障害のある人たちが頑張っているから、応援してあげよう」といった視線がいまだ存在することは否定できない。だが、「WHO I AM」に登場するパラアスリートは、そんな常識をあっさりと覆す。 「みんな世界トップのアスリートならではのプライドの高さやクセの強さもある。競技をしている様子を見ていると、自分なんかより、よっぽど人生をエンジョイしている印象を受けます。“かわいそうだから応援してあげなきゃ”なんて気持ちはひっくり返される。むしろ、パラアスリートたちをそういった視線でしか見られない価値観のほうがかわいそうだなと、取材をしていて感じさせられました」。 そう語るのは、「WHO I AM」のチーフプロデューサー、WOWOWの太田慎也さんだ。 だから「WHO I AM」は、「頑張っている障害者」ではなく「世界最高の人間たち」を伝えるというのが基本のスタンス。 「世界クラスのパラアスリートって、最高峰の競技者という以外の魅力もあるんです。パラスポーツを通じて世界や社会を変えたい、人々の価値観を変えたいんだというポジティブなマインドを感じることが多いです」。 だから、ことさらひとりの人間としてスポットを当てる「WHO I AM」に、パラアスリートたちは共感、賛同してくれるという。 「パラリンピックの個人戦を無敗で4連覇し、オリンピックにも3大会連続出場しているポーランドの卓球選手、ナタリア・パルティカもそうでした。オリンピックの舞台も経験している彼女が熱く語ってくれるのは、パラリンピックのほうなんですよ」。 「みんな違って、みんないい」。自分たちのプレーが社会に与える意義、影響力を誰よりも痛感しているのは、パラアスリート自身なのだろう。 「『WHO I AM』は東京パラリンピックへ向けたプロジェクトではあるのですが、大会が終わっても続けられたらいいな、とも思っています。パラアスリートだけではなく、ミュージシャンやアスリート、あるいは商店街の店主とか市井の人も同じスタンスで取材したいんです。それぞれの『WHO I AM=自分』があるわけですから」。
そして、新田桂一さんが撮影した、うえのすべてのキービジュアルにも使われているアスリートたちの写真については、4月21日(日)まで東京・南青山のNORA HAIR SALONで写真展も開催されている。 太田さんも「新田さん、フリーセッションみたいにハッピーな雰囲気をつくってくださるから、アスリートたちもすごくいい表情をしてくれるし、本人たちも写真を本当に気に入ってくれました。写真展でも、新田さんの最高の仕事を見ていただけると思います」と言う。 その写真や番組を見れば、パラアスリートたちが、いかに魅力的な人間かが、ダイレクトに伝わってくるはずだ。 [番組概要] 「WHO I AM」特設サイト wowow.bs/whoiam [イベント概要] 新田桂一写真展 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」 住所:東京都港区南青山5-3-10 FROM-1st B1F(NORA HAIR SALON 内) 期間:4月21日(日)まで ※入場無料 http://otaoffice.jp/news/1585/