今や当たり前になったサンプリング感覚。オマージュであれ、パロディであれ、偉大な元ネタには、大きな愛やリスペクトがあるもの。そこに新たな価値が付加され、さらなる魅力が生まれる。だから欲しくなるんだよね。
「スタンダード カリフォルニア」のTシャツ
某有名アメリカメガブランドが、’90年代にリリースしていたというカットソー。配色、ボーダーの幅など、改めて活躍しそうな仕上がり。当時を知らなくても問題なし。
「メゾン ミハラヤスヒロ」のスニーカー
チェッカー柄やタグ使い、そのロゴまで、かなり寄せているものの、厚底でいびつなソールをマッシュアップさせて、存分にオリジナリティを発揮。見事な本歌取りだ。
「フルビーケー」×「ジョンズ バイ ジョニー」のTシャツ
かの大国の航空宇宙局の通称「ミートボールロゴ」。DJ ダルマさんと平山ジョニーさん、両名の手にかかれば、このとおり。「みんな所属は人類だろ?」てなメッセージが読み解ける?
「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」のパンツ
オーシャンズ世代の誰もが知る名作チノパンへのオマージュ。本作のツイルは、コットン60/ポリエステル40でハリが強め。ビシッとついたセンタークリースとダブル裾でクリーンにはきたい。
「コモリ」のライダーパンツ
ヒップ左上のオーバル状の切り替えにピンときたら、正解。それ以上を語るのはヤボだぜ、なロゴパッチがモチーフだ。光沢あるコットンツイルでライダーズ風に仕上げるミックス感もさすが。
「アンデコレイテッド」のデニム
数字3桁品番の名作中の名作へのオマージュ。生からはいて洗ったときに生じる「斜行」と呼ばれるヨレを、縫製で再現。テーパードの効いた現代的フォルムに収めている。
「セブン バイ セブン」のパーカ
肩口と腰元に入るブラックの切り替えをグラフィカルにアレンジ。爆発的ヒットを記録した某アウトドアブランドのそれとは異なるきわめてデザイン的なアプローチが光る。
「ウエストオーバーオールズ」のフリース
名作へのリスペクトを惜しみなく表現する気鋭ブランドのフリース。完成した永久定番のデザインは、変更不要。まっすぐな表現には、そんな美学さえ感じられる。
渡辺修身、鈴木泰之、蜂谷晢実、高橋絵里奈(清水写真事務所)、比嘉研一郎=写真 星 光彦、来田拓也、松田有記=スタイリング 髙村将司、いくら直幸、今野 壘=文