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――ケムール人ですか。医学の発達で500歳まで生きられるようになったが、身体の衰えは避けられなかった宇宙人ですね。しかし、企画の第1弾からウルトラマンではなく、怪人とは……。
ウルトラマンがすごいのは、怪獣など敵のキャラクターも視聴者の記憶に残っていることです。初期のデザイン担当の成田さんと、造形担当の高山さんという黄金コンビが、時代を超えたすばらしいキャラクターを遺してくださいました。その高山さんが晩年にケムール人のミニチュアを作っていて、型が残っていた。その型を使うことができたので、高山さんの作家性がふんだんに出ているフィギュアが作れたんです。

結果がついてくるのは結局、自分が好きなこと

新旧のウルトラマン、どちらにも愛を注いでいる(写真:風間仁一郎) (C)円谷プロ
――藤田さんは50代ということですが、若いスタッフに対して感じることはありますか?
2018年に放送していた「SSSS.GRIDMAN」は、若手が中心にやっています。僕の感覚とは違う感覚ですごいことをやっていると思います。ウェブからどうニュースを流していったらいいかとか、ゲームとどうコラボしたらいいかとか、そうしたインターネットを使ったプロモーションに長けています。
――ゲームやウェブについていかなければ、なんて焦りを感じることはありますか?
流行に合わせて、僕が苦手なことを勉強しても、うまくいかないと思うんです。若い子がゲームが好きで日常的にゲームをやっているならそこで勝負すればいいし、僕は服だとかスニーカーとかグッズが好きなので、そこでやっていくかなって。僕の場合ですけど、結果がちゃんとついてくるのは、自分が好きなことでしかなかったですね。
ザ・モテオヤジ。そんな称号が似合うお方でした。ウルトラマンのTシャツに、ウルトラマンのコンバースという個性的なアイテムを、黒ジャケットでうまくまとめるオシャレなおじさまです。
「自分が欲しいモノにこだわれば、結果的に売れてきた」というお話でしたが、これは運だけではないと思うのです。コンテナ3台分にもなるほどの“モノ”を見てきたからこそ、得られた選球眼ではないかと思われます。
それにしてもすごい。使った金額はご家族にはバレていないと言っていましたが、そんなわけがない。だって、コンテナ3台分! そのフィギュアたちを奪ったら、仕事へのやる気も、生きる気力も失ってしまうと黙認されているのではないでしょうか。
 
高橋 ホイコ:ライター
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記事提供:東洋経済ONLINE


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