連載「キャンプは、冬がいい。」
アウトドア・ラバー諸君、キャンプは夏のレジャーだと思っていないか? 玄人たちは、口を揃えてこう言うものだ。「キャンプは、冬がいい」。極寒の世界で特別なレジャーに挑んでみよう。
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6回で紹介した焚き火、ホットワイン、星空観測は、落ち着いたオトナのアソビと言える。でも、面白みがいまひとつ……という人に用意したのが本企画。甘党のオッサン必見のラクトアイスづくりである!
目指すは本格派! 極寒のラクトアイス作りに挑戦してみる
ご存じの方もいるかもしれないが、じつは牛乳と砂糖、塩といった材料を使えば、雪上ではアイスクリームは簡単にできる。材料をペットボトルなどに入れ、雪上でサッカーボールのように数十分蹴って転がしてやる。すると、材料の攪拌と冷却が一度に行われ、素早く作り上げることができるのだ。
しかし、我々はいい大人……静かな夜にサッカーに興じるわけにいかない。そこで今回は、一晩零下の中に寝かせることで完成する、本格的なさっぱりラクトアイス作りに挑戦した。
カスタードから作り上げる。この手間も明朝への期待を高める布石
用意したのがこちらの材料(以下、3〜4人前で作成)。本格ラクトアイス……といっても、アイス自体がそこまで凝ったお菓子ではないからシンプルだ。ただし、調理の手間はちょっとかかるカスタード作りからスタート。
① 卵・砂糖・小麦粉をよく混ぜる全卵1つに砂糖60gを加え、よく混ぜ合わせる。きっちり混ざったら、小麦粉大さじ2を加え、これまたよくよく混ぜ合わせる。ある程度粘り気が出てきたら準備は完了。
② クッカーを火にかけ、牛乳を少しずつ流し入れて練る
①の材料をクッカーに入れたら、バーナーで加熱。200mlの牛乳を少しずつ流し入れ、さらに練っていく。
③ 火から下ろし、練乳入りの牛乳を少しずつ投入
火から下ろしたクッカーは粗熱をとり(と言っても、零下の環境なので一瞬)、その中に練乳(大さじ2)を混ぜた牛乳200mlを先ほどと同じ要領で少しずつ注いでいく。空気を含ませるようにかき混ぜ、もったりしてきたら完成だ(なお、当日はフォークで混ぜ合わせたが、泡立て器を使ったり、蓋をして振ったりした方が素早くできあがる)。
④ 零下の中にクッカーを設置、翌朝を待つ
完成した材料を舐めてみると、見事なアイス味! 零下の中に設置する。はたして、うまく固まってくれるか?
二枚重ねの寝袋に包まって就寝。
翌朝、クッカーの蓋を開けてみると……
テント内に潜り込み、秋・冬用と、春・夏用の寝袋を二枚重ねにして就寝。ホットカーペットの暖かさを背中に感じ、改めて暖房器具の素晴らしさを感じる。翌朝のアイスのことを考えつつ、一瞬で眠りに落ちた。
さて、翌朝6:30。寝袋から這い出してテントを出ると、昨夜から降った新雪で、一面はきれいに真っ白になっていた。はてさて、アイスはうまくできているか……?
表面には大きなブツブツがあるけれど、固まって見事なアイス状に。味はと言えば……うん、ちゃんとしたラクトアイスに仕上がった!
甘さが口いっぱいに広がり、期待以上の仕上がりに。残念ながらこの時はできなかったが、チョコレートをかけてもいいし、ジャムを添えてもいい。はたまた、凍らせる前にちょっとジュースを混ぜてみて、オレンジ味やコーヒー味へ味変するのも面白そう。次回に挑戦する時の楽しみも見つかった。
さて、次回はそんなアイス作りの裏で楽しんだ、スノーキャンプの朝について。早朝は寒さが厳しいものの、最も美しい雪景色を堪能できるマジックアワーでもある。冬キャンプの朝に押さえたいアソビも合わせて紹介。次回もお楽しみに。
>1回「スノーキャンプの魅力と注意点」を読む
>2回「防寒着とギア選び」を読む
>3回「スノーキャンプのテント設営」を読む
>4回「雪山のアニマルハント」を読む
>5回「丸鶏&生姜スープの誘惑」を読む
>6回「冬キャンプの夜アソビ」を読む
【取材協力】
北軽井沢スウィートグラス
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澤田聖司=撮影 芋川 健=取材・文