ラスト1投にドラマあり? 大白熱の勝負の行方は……
さて、互いに4投目を消化し、形勢は変わらないまま残りは最後の1投のみ。ここまでは筆者が一歩リードしていたが、果たして逃げ切れるか?
酒井さん一家のアンカーは、奏達くん。ご夫婦がストーンの配置を見ながら、入念に狙いどころを考える。
奏達くんが真剣な眼差しで狙いすまし……投げた!
スルスルと進むストーンの行く手を、ご夫婦がスウィーピングで導いていく。「いいよ、いいよ!」と声を上げる昌子さん。奏達くんの投げたストーンは、ハウスの中央に鎮座していた筆者のストーンを弾き出し、入れ替わるようにピタリと真ん中へ。
ここ一番でのスーパーショットに、奏達くんもこのガッツポーズ! これには両親も「すごい!」と感嘆。
筆者も同じような軌道を狙ったが、無情にもミスショット……。ミニゲームの最終スコアは「1-0」。酒井さん一家の逆転勝利で、大団円を迎えた!
試合後はしっかりと礼。互いの健闘を称え合う。
さて、家族3人で一丸となったカーリング初体験、酒井さん一家のご感想は?
ヒーローになった奏達くんは「面白かった!」と満面の笑み。重輝さんも「カーリングは未知のスポーツで、こんなに白熱するとは思っていませんでした。家族でコミュニケーションをとる楽しさもありました」と予想以上の面白さにご満悦。昌子さんに至っては、試合後も「もう1回だけいいですか?」と言ってストーンを投げるなど、すっかりハマっていただけた様子。
相談し、応援し合いながら、ひとつの目標へと向かっていくカーリング。自然と生まれる一体感は、いつの間にか夫婦の距離、親子の距離をグッと縮めてくれるはず。この冬はぜひ、氷の上で家族の絆を深めてみてはいかが?
澤田聖司=写真 佐藤宇紘=取材・文