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「男ヨガ」の企画を機に、一気にブレイク

そのボーッとする時間のなかで浅野さんが考案したのが「男ヨガ」だ。当時はまだヨガは女性のものというイメージが強く、“男性限定”の「男ヨガ」は珍しかった。
「ヨガスタジオって女性ばかりなので、男性は入りにくい。僕もいつもスタジオの隅っこで肩身の狭い思いをしていたので、男性たちの気持ちはよくわかるんです。あとは何より女性目当てで来ている、と思われるのが嫌だった。男ヨガはそういった自分の経験から生まれました」。
これが話題となって、メディア掲載されたことをきっかけに「男のヨガクラス」という東京のクラスを持つことに。仕事の幅は格段に広がった。さらに地元・茨城でも市のほうからヨガ講座の講師の依頼が舞い込むなど、そこから仕事が増えていくのはあっという間だったという。
さらに、毎年行われるアジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ横浜」の講師オーディションに自ら参加し、見事、講師の座をゲットしたことも、仕事の幅を大きく広げるきっかけとなった。

「男ヨガといってもクラスは月に数回。普段は水戸で細々とやっている自分が『いつか陽が当たるだろう』と受け身の姿勢でいては、一生当たらない」。
今や仕事も軌道に乗り、忙しい日々を送っているはずだが、浅野さんはどこかゆったりと構え、余裕を感じさせる。その理由は意識的な時間の使いかたにもありそうだ。
「“スペース”を空けるために、仕事を詰めすぎないようにしています。急に取材や仕事のオファーが舞い込んでも対応できる。そんな時間の余裕をもつことは大事だと思うんです」。
自分でスケジュールをコントロールする能力も、浅野さんの成功の裏にはありそうだ。


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