考えてみれば、クリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロが率いて以降のサンローランには、かなり親近感を覚えていたと思う。
ブランドがそう謳わずとも、アイテムの各所から滲み出る世代感。もっと言うと“アメカジ感”である。
我々から見て開花したと思わざるを得ないのが、NYでショーを発表した2019SSの最新コレクションだ。
“ダサかっこいい”星条旗柄のウエストポーチ、慣れ親しんだバッシュにはソールのヴィンテージ加工&星柄、ダメージが施されたデニムシャツやウエスタン調のスタッズが利いたブルゾン……どれもローファイな“アメカジ”だ。
折しも大流行のあの“USA”やダッドスタイルのいなたさがクセになっている我々だからこそ、グッとくるのかもね。
鈴木泰之=写真 柴山陽平=スタイリング