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さて、今回の看板娘、容子さん(22歳)のご登場だ。
「お待たせしました〜」
それは想像の斜め上を行くしつらえで運ばれてきた。思わず巫女の看板娘を静かに拝む。
神々しい酒器……。
「お神酒は大勢で飲むことが多いので、お猪口もたくさん用意しているんです」
容子さんは半年前に女優を志して大阪から上京。渋谷の人気カレー店「ケニックカレー」で働き始めたが、店同士の繋がりから「こんどオープンする『GOD BAR』という店でも働いてみない?」と誘われたという。
「『マツコの知らない世界』でも紹介された『ケニックカレー』の大人気メニュー、魯肉飯(ルーローハン)は、ここ『GOD BAR』でも食べられるんですよ」
お酒が届くと看板娘が盃を鳴らす。
彼女の趣味はコスプレ。つい先日も、欅坂46のセンター・平手友梨奈のコスプレでUSJを闊歩した。
自分で作るのは断念して買った衣装。
ああ、けやきにいそうな雰囲気ですねと言うと「隅っこにいそうって、よく言われます」と満更でもなさそうだ。
「あと、一人行動が好きなのでカラオケも旅行もだいたい一人です」
こちらは、去年一人で訪れたN.Y.のタイムズスクエア。
なお、この店のオーナーは文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」や下北沢ケージに併設されたアジア屋台「LỒNG VÀ QUÁN(ロン・ヴァ・クァン)」をはじめ、さまざまな店舗の出店・運営を行う東京ピストルの代表、草彅洋平さん。
「神ですか?」という問いには「いいえ、私は使徒です」と謙虚。
彼は「一緒に見るだけでお互いに惹かれ合う」をコンセプトとした体験型クリスマスツリー、「TOKYO・LOVE・TREE」もプロデュースした。告白の聖地、これも宗教に絡んでいる。
下北沢ケージで12月25日まで展示中。
宗教グッズコレクションは、「2年半ぐらい前に、ベトナムのキリスト教の教会でたまたま信者さん用の物販コーナーを見つけて。そこでこれを衝動買いしたのがすべての始まりです」。
お値段40万円、船便のコンテナで運んだ。
「酒は本来、神様に捧げ、神様と交流するもの。神と宗教の切り口から酒を再編集し、その名にふさわしいお酒を楽しめる場所になっています」
とにかく、光るものに弱いようだ。
「最初は自分の部屋に置いていましたが、数が増えると収拾がつかなくなって。この店は倉庫代わりのようなものです」
カウンターでは二人連れが楽しそうに飲んでいる。店の感想を聞くと、「入りにくさにびっくりしました」「どこまで真剣に突っ込んでいいのかわからない」。
笑いながらも当惑気味のお二人。
さて、容子さん、お代わりをいただきます。


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