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2018.12.08

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「安くて美味い」vs「レアな価値組」手にすべきナチュラルワイン3on3

人のモノサシではなく、自分たちの価値観で、よりリアルに、格好よく。ファッションにおける「ストリート」の根幹にあるこんなマインドが、何かと小難しい(気がする)ワインの世界でも拡大中。それがナチュラルワインである。
しがらみ不要、無用なルールは御免蒙る。とびきり美味い一杯を追求するストリートマインド全開なナチュラルワインは、オーシャンズ世代にこそ相応しい!
前回、ナチュラルワインの基礎を教えてくれたワインショップ「フロウ」の店主・深川健光さんは、ミュージシャンとしても活動しているだけあって、音楽に対する造詣も深い。店内に流れる音楽も、客の雰囲気に合わせて深川さんが選曲している。
そしてワインも同様、客との会話の中から好みを探り、選りすぐりの約200種のなかから“これ”という1本をチョイスするのだ。
ワインショップ「フロウ」の店主・深川健光さん。
客にワインを注ぐ「フロウ」の店主・深川健光さん。
そんな深川さんが、ナチュラルワインビギナーにも広くオススメできるワインは何か。今回はオーシャンズ読者へ向け、高コスパの「デイリーナチュラルワイン」&見つけたら飲むべき「レアなナチュラルワイン」を厳選してもらった!
 

デイリーに打ってつけ! 3000円前後で買えるナチュラルワイン3選

化学合成の肥料や除草剤、殺虫剤は不使用、農薬や添加物も極力使わず、人の手の介入も極力排して造られるナチュラルワイン。大量生産のものとは違い、生産が安定せず、手間暇もかかる。であれば当然、値段もそれなりになりそうだが、必ずしもそういうわけでもないらしい。
深川さんが「フロウ」で取り扱いを増やしたいのも、「安くて美味い」ナチュラルワインだという。ということで、3000円前後で買えるオススメのナチュラルワイン3選がコチラ。

①アンドレ ロレール アルザス[2017]

ナチュラルワインのアンドレ ロレール アルザス[2017]。
国:フランス・アンザス タイプ:白 品種:シルヴァネール 価格:2810円
薄いレモン色の白ワイン。果実味豊かで、柑橘系の香りが際立つ。わずかにガスを含み、「すっぱい&美味い」が両立したフレッシュなワイン。生産者は現在8代目で、先代は自然との共生を志して1980年代に化学殺虫剤の使用を中止。かなり早期から自然派を志した、信頼に足る生産者である。

②ボジョレー・ヴィラージュ・ラ・タンタシオン[2015]

ナチュラルワインのボジョレー・ヴィラージュ・ラ・タンタシオン[2015]。
国:フランス・ボジョレー タイプ:赤 品種:ガメイ 価格:3510円
濃すぎず薄すぎず、とても飲みやすいナチュラルワイン。古樽で熟成されているが、その味はもぎたてのチェリーをギュッと搾ったような瑞々しさがある。生産者ジャン・クロード・ラパリュはヨーロッパ中のワイン愛好家が最も注目している醸造家のひとり。独学でナチュラルなワイン造りを研究し、今まで存在しなかった新しいボジョレーの世界観を提供している。

③ヴァン・クゥール ヴァン・キュ ルージュ[2017]

ナチュラルワインのヴァン・クゥール ヴァン・キュ ルージュ[2017]。
国:フランス・ロワール タイプ:赤 品種:ガメイ 価格:2920円
野イチゴやバラの花弁、白胡椒、杏仁などの香りが含まれた赤ワイン。飲み心地は柔らかく、爽やかでジューシー。生産者のピエール=オリヴィエ・ボノームはかつて、弱冠18歳という若さで、“天才醸造家”と言われるティエリー・ピュズラに才能を見出された人物。以降、共同経営者にスカウトされティエリとともに歩むが現在は独立。こだわりのワインを造り続けている。

 

見かけたらラッキー! 美味くてレアなナチュラルワイン3種

続いてご紹介するのは、“レア”なナチュラルワイン。最近は世界的にナチュラルワインが流行し、値段の高騰や、手に入りにくい銘柄もどんどん出始めてきているという。ということで、深川さんが「見かけたら一度飲んでほしい」と太鼓判を押す、レアなナチュラルワインがコチラの3本だ。

①ビアンコ[2017]

ナチュラルワインのビアンコ[2017]モメントモリ。
国:オーストラリア・ヴィクトリア タイプ:オレンジ 品種:シラー 90%、ノジオラ 10% 価格:5940円
赤でも白でもロゼでもない、最近話題の“オレンジワイン”。重たさとは無縁で口に含むと軽く、しなやか。エルダーフラワーのような花の香りが広がる。ちなみに、オレンジワインは白ブドウを原料に、赤ワインの製法で造られたワインのこと。生産者のデイン・ジョーンズはギャングスターのような見た目でありながら非常に真面目で、その澄んだ瞳が評判なのだとか。

②ランソレ[2016]

ナチュラルワインのランソレ[2016]フランソワ・エコ
国:フランス・ブルゴーニュ タイプ:赤 品種:グルナッシュ 価格:5620円
フランス語で、“生意気”“アウトロー”の意味を持つ「ランソレ」。毎年ピノ・ノワールなどと混ぜて造ってきたが、2016年はグルナッシュ単体で製造。深川さん曰く「熟成させても美味しそう」。生産者のフランソワ・エコはもともと、自然派ワインの輸出業者。そこで築いた人脈を活かして自らもワインの生産に乗り出し、素晴らしいワインを造り上げた。

③イザベル&ブルーノ・ペロー モルゴン[2016]

ナチュラルワインのイザベル&ブルーノ・ペローモルゴン[2016]
国:フランス・ブルゴーニュ タイプ:赤 品種:ガメイ 価格:4110円
深川さん曰く「万能ワイン」。ほどよい苦みと、しっかりとしたベリー感が口の中でゆっくり広がる。エレガントな果実味が心地よい一本。生産者は6 世代前から続くブドウ栽培農家で、現当主はブルーノ・ペローとイザベルの夫婦。2002 年からビオディナミ(太陰暦に基づいた特殊な有機栽培)に転換し、環境との調和を尊重したワイン造りにこだわっている。
 

ナチュラルワインは味の変化に要注意! 保存は冷蔵庫の「野菜室」で

ナチュラルワインは酸化防止剤など、ほとんど添加物が使われていない分、状態は不安定になりがち。管理はとても大事だが、ここでオススメしたようなナチュラルワインを買った場合、どう保管すればいいのか?
深川さんに聞くと、「ワインセラーがベストですが、ない場合は冷蔵庫の野菜室に」とのこと。理由は「野菜室は冷蔵室に比べて温度がやや高めの設定になっているから」。さらに、飲む数10分から1時間くらい前に冷蔵庫から出しておくと、より美味しく飲めるそう。
こんな裏ワザがあるってことも頭に入れつつ、気になったナチュラルワインがあればぜひお試しあれ!
 
[取材協力]
ワインショップ フロウ
03-6804-7341

https://wineshop-flow.business.site/
※記事内の価格は「フロウ」での販売価格です。
ぎぎまき=取材・文


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