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2018.12.02

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そもそもナチュラルワインとは? 素朴な疑問をプロに直球でぶつけてみた

人のモノサシではなく、自分たちの価値観で、よりリアルに、格好よく。ファッションにおける「ストリート」の根幹にあるこんなマインドが、何かと小難しい(気がする)ワインの世界でも拡大中。それがナチュラルワインである。
しがらみ不要、無用なルールは御免蒙る。とびきり美味い一杯を追求するストリートマインド全開なナチュラルワインは、オーシャンズ世代にこそ相応しい!
そもそもナチュラルワインとは何か。ググってみれば有機農業やらビオディナミやら、農法のことが出てきてやっぱりちょっと難しそう。その定義は「限りなく自然に造った、化学肥料や化学薬品を使っていないワイン」ということらしく、よく耳にする「ビオ」はあくまで農法のことだとか。
……ってことは……どういうこと? ほかのワインと何が違う? 味は? 値段は? 成分は?
小難しいこと抜きにしたナチュラルワインの「そもそも論」。それを解決するため、幡ヶ谷にあるワインショップ「フロウ」を訪れた。
幡ヶ谷にあるナチュラルなワインショップ「FLOW」
幡ヶ谷の商店街にあるワインショップ「フロウ」。
ライトを落としたムードある店内、全面ウッディなしつらえとアンビエント調の音楽が目にも耳にも心地良い。店内の半分以上を占めるテイスティングスペースには、休日とはいえオープン早々ひっきりなしに客が来る人気っぷりである。
店主の深川健光さんがセレクトするワインは、すべてこだわり抜いて厳選したナチュラルワインで、その数は約200種類。優しそうな深川さんに甘え、今さら聞きにくい素朴な疑問を直球で投げかけてみた。

①「ナチュラル」って付くくらいだからカラダにいい?

KENKOU名義でミュージシャンとしても活躍する「フロウ」の店主・深川健光さん。
深川「大量に流通しているワインの中には、農薬をたっぷり使い、摘んだブドウの選果もせず、腐っていようが何でもかんでも全部入れてしまっているようなものもあります。保存性をあげるために酸化防止剤(亜硫酸塩)を入れて、糖度や酸が足りなければ人工的に足す。そうやって作られたワインよりは、ナチュラルワインのほうがカラダにいいのではないでしょうか。何より“酔い方”は全然違うと思いますよ」。

②ナチュラルワインは二日酔いしない説もありますが……

深川「酔い方でいえば、いわゆる普通のワインは、こう、おでこからビームのようなものがまっすぐに出てきて(笑)、“あ、すごい酔っ払ってきたぞ”という感じになります。でも、ナチュラルワインの場合は頭がほんわか包み込まれるような酔い方なんですよね。飲み疲れもしないし、頭が痛くなる度合いもずいぶんと違います。とはいえ、ナチュラルワインも飲みすぎたら二日酔いはします。飲んでも飲まれるな、はどのお酒も共通です」。

③「酸化防止剤」はワルモノ?

ボブ・マーリーの名曲からインスパイアされたフランス・ボージョレのナチュラルワイン「No Sulfite No Cry」。Sulfiteは亜硫酸塩を意味する。つまり「ノー 酸化防止剤」というメッセージが込められたエチケットなのだ。
深川「いえ、『酸化防止剤=悪』ではありません。結局はワインを美味しく飲めるかどうかですから。実は、酸化防止剤になる『亜硫酸塩』は、ワインの発酵過程でブドウが自然に作り出すものでもあるんです。なので、ラベルに『酸化防止剤』と明記されていても、それは天然由来の場合もある。日本ではそれも表記の義務があるので、ほとんどのナチュラルワインに明記されています」。

④だったら、どうやってナチュラルワインを見分ければいいの?

深川「フランス語やイタリア語で“no additif”とか”no additivo”と書いてあればそれは『無添加』という意味になります。また“SO2”や“sulfite”は日本語でいう『亜硫酸塩』なので、ラベルを見ればヒントは見つけられます。最近は試飲で『これはちょっと酸化防止剤が多いな』というのもわかるようになってきたので、うちでは ナチュラルを謳っているワインでもそういうものは置きません。見分ける自信がなければ、ぜひ僕の店に(笑)」。
亜硫酸塩を使っていないことを示す「No SO2」「no additives」の文字。

⑤ナチュラルワインは作るのに手間がかかる=高い?

深川「いや、ほかのワインと変わりませんよ。“激安”みたいなものがないだけです。ただ、しっかり作られているだけでなく、天候不順でブドウが穫れない状況が相次ぐことももあるので、それなりの値段で対価交換となるの世界ではあります」。
 

[結論]ナチュラルワインは気持ち良く酔いたい人に打ってつけ!

ウォークインセラーにずらりと並ぶナチュラルワインの数々。
そもそも「酸化防止剤=悪」という考えが間違いであることもわかったし、むしろ「酸化防止剤」にも天然由来のものがあるというのは目からウロコ。何よりも、いい酔い方ができるとは酒好きにはありがたい。科学的根拠はないそうだが、多くのナチュラルワイン愛好家がそう口を揃えるし、深川さんが太鼓判を押すと説得力も増す。
値段も手頃で、俄然、魅力的に見え始めたナチュラルワイン。次回は、3000円前後で買えるデイリーナチュラルワインや熟成を楽しめるヴィンテージナチュラルワインなど、深川さんがオススメする9本を紹介する。
 
[取材協力]
ワインショップ フロウ
03-6804-7341

https://wineshop-flow
ぎぎまき=取材・文


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