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オッサンにも優しい、電子書籍ならではの機能も魅力的

電子書籍リーダーである以上、紙の本にはない“機能”も気になるところ。先ほど、サイズ感を文庫本と比較したが、すでに読者の中には、文庫本の文字が読みにくくなっている人も多いはず。その点、Paperwhiteなら文字サイズも自在に変更できる。誌面から目を遠ざけたり、シニアグラスを使ったりといったオッサン臭いアクションをせず読書できるのは、電子書籍ならではのメリットといえるだろう。
文字サイズのほか、文字の太さや書体などの変更も可能。残念ながら、マンガのセリフの文字は変更ができない。
文章中の語句の意味を検索したり英文を翻訳したりといった機能も、紙の本では得られない利便。辞書だけでなくウィキペディアとも連携しているので、見慣れぬ地名や人名を調べるのも簡単だ。
語句をタップして選択することで、検索のほかマーカーをつけたりコピーしたりといった操作も可能。なお、検索はネット接続が必要。
画面をロングタップすると表示されるスライダーを操作することで、パラパラとページをめくっていくように素早く移動させることも可能。マンガを読む際に重宝する。
そのほか、特に便利だと思ったのが、作品内の登場人物や主要キーワードを整理してくれる「X-Ray」機能だ。

すべての作品で利用できる機能ではないようだが、ミステリーやSFのように、登場人物が多く予備知識もある程度必要になる作品を読み進める際には、大きな助けとなりそうだ。
などなど、ここまでPaperwhiteというかkindleの便利な機能を紹介してきたが、試用してみて強く感じた電子書籍リーダーのメリットは「読書に集中できる」ことに尽きる。
実際のところ、スマートフォンやタブレットに電子書籍リーダーのアプリをインストールしても、機能的には同等のことができてしまう。しかし、スマートフォンやタブレットを使っていると、どうしたって別のアプリが気になってしまうもの。筆者の場合も、小説を読むつもりだったのに、ついついやりかけのゲームやSNSが気になってしまい、リーダーアプリを閉じてしまうことのほうが多かったのである。
その点、専用の電子書籍リーダーなら、そうした誘惑も少なく、じっくりと読書に没頭することができるというわけ。細かい話をすれば、読書中や待機中の画面に時計が表示されないのも、読書環境としてありがたいところだと思った。

電源オフ(待機中)時に表示される画面は、ランダムで切り替わる。ブックカバーのような趣のあるデザインだ。
スマートフォンやタブレットをいじることに時間を食われ、読書にあてる時間が以前よりグンと減ってしまったことに、危機感をおぼえているオッサンは筆者を含め、かなり多いはず。失われつつある読書習慣を取り戻し、大人の男性にふさわしい教養と知性を磨くためのツールとして、Kindle Paperwhiteを手にしてみてはいかがだろうか。
文=石井金戸郎



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