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2018.11.27

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平山祐介の推薦図書⑦ 魂を揺さぶる歴史エンターテイメント『村上海賊の娘』

オーシャンズゆかりのモデルたちはどんな余暇を過ごしてる? 彼らの普段見えない部分を取材する企画の一人目は、俳優としても引っ張りだこの平山祐介さん。“本の虫”としても知られる彼に聞いた、オーシャンズ読者が絶対にハマる推薦図書とは?
ついに平山祐介の推薦図書シリーズに時代小説が登場。今回オススメする『村上海賊の娘』は、ユースケさんがその面白さをもっとも活き活きと語ってくれた、壮大な歴史エンターテイメント作品だ。
作者は『のぼうの城』や『忍びの国』など、大ヒット作品を連発する人気作家・和田 竜。ユースケさんが作品内の海賊たちに魂を揺さぶられた理由とは?
平山祐介さんのオススメ本『村上海賊の娘』
『村上海賊の娘』
和田 竜・著/新潮社
本屋大賞を受賞し、累計300万部の大ベストセラーとなった歴史巨編。第一次木津川口の戦い(1576年)を舞台に、「海賊王」と呼ばれた村上水軍の当主・村上武吉の娘・景の生き様を描いている。織田信長に攻められる本願寺。海路からの支援を乞われた毛利水軍は村上海賊に頼ろうとしたが……。
──時代小説は今回のインタビューシリーズで初登場ですが。
平山「これは織田信長が本願寺を攻めようとしたときの海賊衆の話です。登場人物がとにかく魅力的なんですよ。海賊ですから、誰もが想像する豪快さと男らしさがあるんだけど、主人公は海賊の娘である景(きょう)。男勝りな女の子です」。
──“娘”とは珍しいですね。
平山「描写からすると、景は現代では“美人”とされる、目が大きくてすらっとしたタイプ。でも、当時の“美人”は多分ふっくらとしていて、目は細い。今と逆ですよね。美人な描写なのに、周りの男が景のことを『醜女(しこめ)』と呼んでいるのも面白いんです(笑)」。
──時代小説の面白いところかもしれません(笑)。
平山「景は海賊の娘なんだけど、海賊には、女が船に乗って戦(いくさ)に出ちゃいけないという掟がある。それを無視して景は自分の部下を連れて船に乗り、海域に入ってくるやつを捕まえては『税関だ!』って言ってお金を奪ったり、たまに殺生したりもする。ただ、本当の戦にはまだ出たことがなかったんですね。
でも、本願寺がきっかけで、戦場で初めて戦がどんなものなのかを知る。もともと戦は武勇を競う華々しいものだと思っていたのに、実際は違った。自分の家の存続のため、主君に付いて相手を殺す、相手の家を滅ぼすのが戦なんだと知ったんです」。
──戦は想像以上の厳しさだったと気づいた、と。
平山「はい。そこで、自分にはそこまでの覚悟がなかったということを景は思い知ります。ボロボロになって自分の島に帰り、海賊として生きるのはもう辞めようと一度は決意するんですけど……その過程で出てくる豪快な海賊衆が全員、とにかくカッコいいんですよ。存在がすごく活き活きとしていて」。
──どんな人物たちですか?
平山「鈴木孫市という鉄砲の名人や、浪速の海賊の七五三兵衛(しめのひょうえ)。七五三兵衛は身体がすごくデカかくて豪快。声も大きくて力も強くて、乱暴。でも、『粋』でもあるんです。
登場人物がとにかく魅力的で、話も抜群に面白いです! 時代モノではあるけど漫画を読んでるように小説が読める。文章も生きているから頭のなかで絵が描きやすいし、これは読み出したら本当に止まりませんよ」。


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