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バンクシーのTwitterのフォロワー、という女性は、朝早くにウェールズのカーディフ近郊の自宅を出て、ここへ駆けつけたという。
今回の細断騒動についてこの女性は「何年も前から計画していた周到さ。楽しみにしていたんでしょうね」と、してやったりという作者の気持ちを代弁。「インスタグラムでシュレッダーを仕込むビデオも公開されていましたけど、あれをも含めて作品なのではないでしょうか」と今回の一連の動きをこう評価している。しかも、風船を手から離した女の子の顔が、額縁に隠れているところもおそらく仕掛けなのだろう。
 

事前の「仕込み」があった?

ただ、こんな嫌みも出ている。BBCは「21世紀前半の芸術作品として美術史上に残ることは間違いない」としながらも、「サザビーズに作品が持ち込まれたとき、仕掛けが金属探知機に察知されなかったのは不思議」と、これまでの経緯にちょっとした疑問を投げかけている。
ちなみに、この「新たな芸術作品」を見るために行列に並んだファンらは、展示室の手前で金属探知機によるボディチェックと目視による荷物検査を受けなくてはならなかった。
筆者が話をした女性はたまたまウェールズから3時間余りかけてやって来たバンクシーのコアなファンだったが、オークションハウスでの展示の際には、「その絵や作者の熱狂的なファンだと海外からでも見に飛んで来ることも珍しくない」(ギャラリーの関係者)のだという。


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